壮絶!リストラマンガの世界 「まだ、生きてる・・・」

壮絶!リストラマンガの世界 「まだ、生きてる・・・」











こんなサラリーマン金太郎はイヤだ!

こんにちは、J君です。前回のリストラマンガ「55歳の地図」に引き続き、忍び寄る肩たたきの恐怖に怯えながらの更新です。



課長 島耕作が翌月には派遣 島耕作になっていてもおかしくないという未曾有の大不況を生き抜くためのリストラマンガ第二段は、本宮ひろ志先生の「まだ、生きてる・・・」をご紹介したいと思います。いよいよもって切実なタイトルですね。「まだ生きてる」ってことは、「もうすぐ死ぬ」ことの裏返しとも言えます。うわっ、レビュー前にすごく気持ちがブルーになってきた。レビューするのやめようかな・・・。


本宮ひろ志先生といえば、ご存知「サラリーマン金太郎」シリーズの作者でもあるわけですが、「サラリーマン金太郎」がサラリーマンのサクセスストーリーを描いた作品なら、この「まだ、生きてる・・・」はその真逆。サラリーマンの悲惨な末路を描いた作品といえます。サラリーマンおける陰と陽のどっちも描いてるってのも凄いですよね。





ハローワーク苦戦中



ストーリーは、主人公の岡田憲三がハローワークへ通うシーンから始まります。作品上では詳しい状況説明がないのですが、ハローワークや退職金についての描写があることから、おそらく定年目前でのリストラ・・・早期退職を言い渡されたという感じです。ソロバン一本で経理一筋にやってきた岡田憲三、パソコンを見ると吐き気がするほどの機械音痴のため、再就職先も見つからず・・・。



しかし、本当の悲劇はここからです。なんとこの岡田憲三は、仕事だけでなく家族からもリストラされてしまったのです・・・。





家族が申し合わせたように



悲惨すぎる



家に帰ってみると家はもぬけの殻。そして、机の上には妻の印鑑が押された離婚届だけが置いてあり、家族の携帯は全て繋がらなくなっていました。妻が、娘が、息子が・・・みんな申しあわせたように居なくなってしまったのです。もう・・・これは、熟年離婚というレベルではなく熟年離散ですね。



そんな、岡田憲三を見捨てた岡田ファミリーをご紹介しましょう。





軽そうな息子です

息子





娘、性格きつそう

娘、そして・・・





後ろ姿のみの妻



奥さんなんか後ろ姿しかでてきませんからね。顔出しNGですよ。どんだけ冷たいんだと言う話です。





奥さんひでえ!



追い討ちをかけるように、退職金や貯金にいたるまで全て奥さんに引き出されてしまっておりました。なんと2683万円もの貯金が引き出され、口座の残金はわずか172円・・・なんという用意周到さ。奥さん、横領じゃないっスか、それ。むしろ38年間掛けた結婚詐欺といってもいいレベル。





悲しいなあ



団塊世代のサラリーマン、岡田憲三が38年間、一生懸命働いてきた結果がこの仕打ちです。心が折れてしまうのも無理はありません。





心が折れました



「もういい・・もういいよ岡田憲三」

J君も仕事が煮詰まった時に良く言うセリフですが、深刻さのレベルが違います。そして・・・遂に人里離れた山中で自殺を図ります。





自殺



そして失敗



しかし、幸か不幸か木の枝が折れてしまい、自殺は失敗してしまいました。残念ながら死ぬこともできなかったのです。しかし・・・これでなにかが吹っ切れた岡田憲三。なんか様子が違います。





生きてました



「まだ、生きてる・・・」

そして朝日に誓うのです。





なんか吹っ切れてる!



「こうなったら死ぬまで生きてやるか」

心なしか表情も何か別人のようになってますね。岡田憲三は世捨て人として、人里離れた山の中で死ぬまで生きる決意をしたのでした。



ここからストーリーが急展開です。もう完全に「いきなり黄金伝説」というか・・・リストラマンガから一気にサバイバルアドベンチャーに変貌してしまいました。最初に見つけた手頃な洞窟で一夜を過ごすことにしたのですが、なんと天井一面に毛虫が・・・普通ならビビるところですが生まれ変わった男、岡田憲三は違いました。





皆さん=毛虫



「お邪魔しますよ・・・皆さん」

そうそう、この心がけが大事ですね。これから野生で生きて行くには先住民とは共生していかなければなりません。さらに・・・





焼きドングリ



ドングリを焼いて食ったり。





アドベンチャーすぎ



猪と闘ったり。





不法投棄が役に立ちました



時には不法投棄物を有効利用したり。





そんな技術があるのか



そして、竹を使って自分で家も作り始めます。そ、そんなスキルがあるなら他に仕事が見つかりそうな気がするんですが・・・。そして、1年後。





本格的すぎ



なにこの立派な集落。普通に住んでみたいほどの完成度ですね。

そんな感じで着々と野生化して原始猿人バーゴンのような生活を送る岡田憲三に、ある日転機が訪れました。







自殺女現る



山の中で首を吊る若い女が出現。しかし、かつての岡田憲三のように枝が折れ、自殺に失敗してしまいました。そこで、とりあえず女を介抱する岡田憲三。





味が想像できません



「カシの実をすって粉にした雑炊だ、中にアシタバとイノシシの干し肉が入っている」

おそらく彼の中で最強のご馳走なんだと思いますが、素材がワイルドすぎて全然味の想像がつきませんね。





予想外の展開



「お願いです、私をここに置いて下さい」

その夜、行くところがないため体を張って交渉する女。突然のモテ期到来に団塊の漢、岡田憲三はどう出るのか?





冷静に断ります



だが断る!

安易に色仕掛けに流されないあたりはさすが団塊の漢です・・・というかむしろ今流行の草食系男子なのか?・・・と言いたいところですが、実は糖尿でアッチが役に立たないという理由。草食系男子というよりは糖尿系男子でした・・・。





すっかり原始生活



しかし、似たもの同士。結局追い出すこともできず・・・そんな感じで奇妙な年の離れた男女の生活が始まります。





動物タンパクて



「今晩の動物タンパクだな!」

なんというか・・・セリフが完全にアボリジニーみたいになってますね。しかし、その後再びとんでもない展開が!





いたのかよ!



なんと、女が妊娠していたことが判明。どうやら女が自殺をする前に既に身ごもっていた模様です。・・・そこで自らの手で赤ちゃんを取り上げる決意をする岡田憲三。





まさかのお産シーン



遂にお産開始!

まさか、ただのリストラマンガからこんな展開になるとは。正直予想を大きく超えたリストラ大巨編になってまいりました。





子供も野生児



さらに4年後、その子供も順調に野生児へと成長してきたのですが、そろそろ幼稚園に行かせないと行けない時期です。しかし、岡田憲三はだいぶ体も老いており、下山を拒否。ついに女と子供だけで下山することになります。





憲三、すでにヤバくない?



憲三、遂に逝く



女と子供を送り出した後・・・遂に絶命。岡田憲三の壮絶な一生はここに幕を閉じたのでした。俗世間を完全にシャットアウトして自然と一体になって最期を迎える、これもある意味、人間の理想的な最期と言えるかもしれませんね。まさかリストラからここまで大層な話になるとはさすがに予想してませんでしたが・・・。



というわけで2回に渡ってお送りしたリストラマンガの世界いかがでしたでしょうか?なにもネットカフェに住むだけが人生ではありません。「55歳の地図」のように四国巡礼に自分の道を求めるもよし、「まだ、生きてる・・・」のように山でドングリを食う生活を選ぶもよし・・・加えて「失踪日記」あたりを熟読しておけばさらに生き残るスキルはアップするかもしれませんね。J君も来るべき(リストラの)日に備え、この3冊を繰り返し熟読しておきたいと思う次第です。



ちなみに、このレビューを書いている最中に知ったのですが・・・実は、現在ビジネスジャンプにて「まだ、生きてる・・・2」が連載開始されておりました。





まさかのパート2



今度は派遣切りされた男がテーマとなっており、より現在の不況を反映したタイムリーな展開となっています。しかも驚いたことにこの「まだ、生きてる・・・2」の主人公は、な、何と・・・





まさに世襲リストラ



あの岡田憲三の息子です。父親を見限った男が父親と同様にホームレスになってしまうというのか!歴史は繰り返すというか、この親にしてこの息子有りというか・・・。兎にも角にも、親子二代にわたる壮大なリストラロマン巨編「まだ、生きてる・・・2」。今後の展開に超期待ですね!



■■■


出典) まだ、生きてる・・・ 本宮ひろ志/集英社

参考) Amazon →  Kindle版 まだ、生きてる・・・2