本当にあった猫バトルマンガ 「ピンギーマヤー」
銀牙もビックリ!猫バトルマンガは存在した!
こんにちはJ君です。当サイトでも何度かご紹介していますが、犬マンガの定番といえば高橋よしひろ先生の「銀牙」&「銀牙伝説ウィード」シリーズですね。犬同士のバトルはもちろん、しゃべったり、熊と戦ったり、時には織田信長にアドバイスしたりするという、まさにお犬様時代再来を予見させるマンガです。
そこで誰もが一度は疑問に思うのが、犬バトルマンガが存在するのに、猫バトルマンガは存在しないのか?という点です。ご安心下さい。そんな疑問にお応えして、本日ご紹介するのは、まさかの猫バトルマンガ「ピンギーマヤー」です。
念のために申し上げておきますが「ピンギーマヤー」の作者は高橋よしひろ先生ではありません。それもそのはず、先日レビューした「55歳の地図」内で、高橋よしひろ先生が実は犬そのものだったことが判明してしまいました。・・・高橋先生が犬である以上、犬が猫のマンガを描くことはありえませんよね?
猫マンガは無理なわけだ・・・
というわけで、「ピンギーマヤー」は作画がさいとうかずと先生、原作は山本邦一先生による作品。掲載されていたのは週刊少年チャンピオンです。ちなみにピンギーマヤーというのはイリオモテヤマネコの現地の呼び名のことだそうです。つまり本作は猫といっても、イエネコよりもはるかに野生度の強いイリオモテヤマネコが主人公です。
大まかにストーリーをお話しますと、主人公イリオモテヤマネコの「ピンギー」が、マッドサイエンティスト臨界期博士によって魔改造されたネズミ「スーパーラット」に殺されてしまったイリオモテヤマネコの兄弟達の復讐のため、「スーパーラット」に戦いを挑むという内容です。
全ての元凶、臨界期博士
つまり猫とネズミの対決・・・これは古くから「トムとジェリー」などに見られるような、猫とネズミのドタバタコメディの構図のようにも見えますが、実際は全然雰囲気が違います。これはまさに、猫とネズミの種の存続を懸けた生きるか死ぬかのガチバトルです。
言葉遣いが凄いです
気持ちは分かるけど・・・
ね、意気込みが全然違うでしょ?全然コメディじゃない。
主人公のピンギーは父がイリオモテヤマネコで母がアメリカンショートヘアというハイブリッドなイリオモテヤマネコで通常のネコを遥かに越えた身体能力や攻撃力を持っています。
ヘビなんか余裕
ヘビと勇敢に闘い、首を切り落としたり・・・
なんか任侠マンガみたい
ノラ犬なんか張り手でブッ飛ばします。
また、会話の中に動物とは思えないボキャブラリーがガンガン出てくるところはこの手のマンガのお約束として目をつぶりたいところですが・・・
生物学者か!
理系過ぎる・・・
・・・ちょっといくら何でも会話が理系男子過ぎる気がしますね。
普段はカワイコぶってます
さて、このピンギー、普段はカワイイ仔猫ちゃんですが
ジョジョにこんなのいた気が・・・
ガンを飛ばす時はそこらのDQN以上の迫力です。ほとんど二重人格ですね。
猫版オーラの泉
怒りのあまりオーラとかでちゃってますからね。ピンギーさんマジパねえっス。
一方、宿敵となる「スーパーラット」はマッドサイエンティストの臨界期博士が、生態系を破壊し人類を支配するという野望のために生み出した改造ネズミです。これがまたとにかく凄いおネズミ様なのです。何が凄いって、まず知能がハンパ無い。キーボードでブラインドタッチも余裕でこなします。しかもそのタイピングの内容が・・・
ムダに知能が高い
「燕雀安くんぞ、鴻鵠の志を知らんや」
なんと、漢字検定準1級レベルの知識をお持ちです!間違いなくJ君よりは漢字知ってますね。ネズミのくせに・・・なんか凹みますね。
ネズミ嫌いなら卒倒しそう
戦う時は大量の子ネズミを引き連れて攻撃します。天敵であるはずのネコ達も全く敵いません。
ネズミに操られる人間てどうよ・・・
時には人間にまで催眠術をかけ、操ったりもします。まさに生態系を覆す生物スーパーラットです。そんな二匹の対決ですからそれはもう凄まじいことになるのはお分かりですよね?
銀牙にも劣らないレベル
宿命の対決では、ピンギーが、大苦戦の末、スーパーラットの弱点である延髄に液体窒素をブッかけるという・・・猫としてはかなり離れ技過ぎる作戦で倒します。
ラスボスもいます
しかし・・・そんなスーパーラットは実は中ボス。その後には真の大ボスが控えているのです。興味がある方は、是非作品を読んでみて下さい。
ちょっといい話もあります
もちろん、そんなバトルの合間にも、他の動物たちとのハートフルな交流があったり、なぜかこけし職人のお爺ちゃんの命を救ったりといった話もあったりして、スケールだけなら銀牙にも負けないぐらいの作品になっており、読み応えは十分です。
「ねこ鍋」なんてものもあるぐらい、みんなの癒し系的存在である猫ちゃんですが、本気出すとハンパじゃないということは覚えていた方が良さそうですね。とりあえず延髄に液体窒素をかけられるのだけは勘弁して頂きたいものです。
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出典) ピンギーマヤー 山本邦一/さいとうかずと/秋田書店
参考) Amazon → ■ トンデモマンガの世界