「人事課長鬼塚」 人事の鬼は一見怖いが実はいい人!?ハラスメント対策にもピッタリの人事マンガ

「人事課長鬼塚」 人事の鬼は一見怖いが実はいい人!?ハラスメント対策にもピッタリの人事マンガ

  
「覚悟するんだな、これは始末書だけじゃ済まないぞ!!」
皆さん、節分ってどう思います?節分といえば鬼に向かって豆をぶつける「豆まき」イベントが定番でしたけど、ここ10年くらいはすっかり恵方巻を食べるイベントの方がメインになっている気がしますよね。最近は巻いていれば何でもいいということで恵方ロールとかも出てますけど、いや、それ一気に食うの寿司よりしんどくない?っていうね。

それはともかく、心配なのは豆まきとか鬼のオワコンっぷりですよ。やっぱりあれですかね、多様性の時代ってことで、鬼ってだけで問答無用で豆をぶつけるのも豆ハラスメント(豆ハラ)とかいって、人道的というか鬼道的に問題あるってことなんでしょうか。あとビジネス的にも地味に豆を売るよりも、寿司売ったほうが単価が高くて儲かるっていうのがあるんでしょうね。で、今日はそういった世相とは全然関係なく、とある鬼が出てくるマンガをご紹介したいと思います。通称「人事の鬼」が出てくるビジネスマンガ、「人事課長鬼塚」のことです。

  

赤すぎんだろ
  

「第1話 人事の鬼」
ほぼ出オチに近い状態ですが、鬼みたいな形相のおっちゃん、その名も人事課長「鬼塚」が真っ赤になってこちらを睨んでます。節分に紹介するのにぴったりですね。そんな「人事課長鬼塚」は集英社のスーパージャンプで1994年から2001年の間に連載されていた作品。作者は渡辺獏人先生です。

「人事課長鬼塚」は題材としてはかなりレアな「人事部」をテーマとしたマンガです。ビール会社大手・太陽ビールの人事課長、鬼塚拓郎が、そのド迫力なコワモテ顔で、時には毅然と対応し、時には人情味あふれる采配で社内の人事的なゴタゴタを解決していきます。課長が主人公のビジネスマンガということもあり、どことなく「課長 島耕作」と通じる雰囲気もありますが、シマコーのように女と運のフル活用でノシ上がって行くようなド派手な展開はありません。ひたすら人事を全うする硬派な漢なのです。鬼塚は。

  

逆スマドリ状態
  

ストーリーとしてはこんな感じです。酒癖の悪い上司が酒の飲めない若手社員に無理やり酒を飲ませる、典型的なアルハラ&パワハラ。平成レトロ風に言うと「飲みニケーション」ですね。令和のご時世に一番やっちゃいけないやつですけど…。

  

個室に呼ばれるのイヤー!
  

予想通り、社員の誰かにタレこまれたアルハラ上司の犬井係長、人事部の鬼塚課長に呼び出しを食らいます。しかも別室に呼ばれるって一番怖いやつじゃないですか!

  

地方=左遷てイメージも昔っぽいですね
  

その後、酔っ払って暴力沙汰を起こすなどの問題も重なり、犬井係長は左遷となったのでした。やはり人事部といえば必殺技は「異動辞令」ですよね。ところで、この件、人事部の若手社員でイキのいいやつもいまして…

  

まあこれもダメだけどね
  

こんなの大学時代は日常茶飯事だったじゃないか、このぐらいで処分なんてウチの人事は厳しすぎるんじゃないか!?みたいに異を唱えたりするんですよね。まあ今だとどう考えてもアレですけど平成のマンガですからね、そういう意見も分かります。しかーし!!

  

人事マン失格だゾ!
  

「キミは重要な事を忘れている!」
若手人事社員を鬼塚が一喝!そうなんです、この会社は太陽ビール。社員が酒の席で起こした不祥事はどこよりも厳しく取り扱わないと会社のイメージダウンに繋がるのです。さすが鬼塚課長、ちゃんと筋が通った考えのもとに処分を下しているんですね。

  

これもなかなかのハラスメント
  

他にも、女性社員には重要な仕事を任せられないというザ・男尊女卑なポリシーを持つ橋本課長の元に、ある日、女性メインで構成される企画チームへの異動辞令が。橋本課長は当然頑なに拒否、上司の部長を使って人事部に圧力をかけてもらおうとしますが…

  

権力を顔圧で押し返す
  

部長からの圧力だろうと、一切屈しません。何しろ人事の鬼ですから。

  

思ってても口にするなよ
  

仕事は全然できないけど、上司にお中元やお歳暮を贈ってご機嫌取りばかりしているダメ社員の異動辞令も、目をかけている上司が人事部に圧力をかけて取り消そうとしますが…

  

本人に言うなよ、あだ名を
  

やはり人事の鬼にあっさりと突き返されます。そこで言った捨てゼリフ、「まさしく噂通り、キミは『人事の鬼』だな!」。それに対して鬼塚の返した名ゼリフ…

  

そりゃそうだ
  

「私の名は鬼じゃない…鬼塚です」
ついに言ったった!!そりゃそうだよな。名字に鬼が付いてるだけで、社内で「鬼」呼ばわりされるのやっぱりムカついてたんだろうな。ある意味この鬼塚課長こそが一番のハラスメント被害者とも言えます。

  

他に何があるんだよ…
  

「覚悟するんだな、これは始末書だけじゃ済まないぞ!!」
もっとはっきりと悪いことをした社員には、こんな恐ろしいセリフまで出す「鬼の所業」っぷりなのですが、経営不振でベテラン社員を大量リストラをする必要が出た際には、情をかけるなという人事部長の制止を振り切り、関連企業を一件一件まわって対象社員のスキルにぴったりな出向先を見つけてあげるなど、実は人一倍人情に厚い男でもあるのです。

  

人知れず情に厚い男
  

ちなみに、リストラの時に出てきた、鬼塚課長の上司の人事部長は…

  

部長はもっと怖かった
  

剣崎部長という、名前も顔も鬼塚以上におっかない上司です。

  

鬼も黙るレベルの怖さ
  

めっちゃ怖いっすね…。どうなってるんだ、太陽ビールの人事は。

  

仏の方は定着せず
  

ちなみに、対象的な癒し系キャラで、「人事の鬼」に対する「広報の仏」として仏原(ほとけばら)課長というキャラが出てきますが、なんかパッとしない感じで一話で消えました。

こんな感じで、社内の厄介事に圧力にも負けず毅然と立ち向かってズバッと解決、時折見せる分厚い人情味で社員からの信頼も厚いという、タイトルの割になんかほっこりとした展開のビジネスマンガなのですが、作品の終盤、単行本でいうと17巻以降は、サブタイトルに「派閥抗争編」とつくようになり、ほっこりムードが一変。一気にキナ臭い雰囲気のビジネスマンガに変貌します。

  

タイトルも急にキナ臭い
  

次期社長の座を巡って、社長派と副社長派が全面対決。徹底した無派閥を貫く鬼塚も、否応なしに派閥抗争に巻き込まれることになります。副社長派の謀略にはめられ、人事データ漏洩の疑いをかけられた鬼塚は自宅謹慎を命じられる羽目に…

  

昼ドラのような相関図
  

その後も次期社長が決まるまでドロッドロのスキャンダラスな展開が続き、あれ、この漫画「島耕作」だったっけ?と錯覚しそうになります。

というわけで、節分とは特に関係なく「鬼」が出てくるマンガ、「人事課長鬼塚」をご紹介してみましたがいかがだったでしょうか?人事ってなんか逆らうと飛ばされそうな、おっかなくて偉そうな部署というイメージが有るかもしれませんが、意外と人事も苦労していて大変なんだなとか、読んでいるうちにイメージが変わると思いますよ。あと、もしかして俺、ハラスメントやってるかも!?って気になりだした方の参考にもなるので、これからの人事異動の季節、左遷になる前にご一読をおすすめします。

  
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出典・引用)「人事課長鬼塚」 渡辺獏人/集英社

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