ジャズマニア超めんどくせぇ!「ラズウェル細木のときめきJAZZタイム」で学ぶジャズ入門

ジャズマニア超めんどくせぇ!「ラズウェル細木のときめきJAZZタイム」で学ぶジャズ入門

疲れがたまってマイルス、肩がコルトレーン・・・。
今宵は皆さんを渋ーいジャズの世界に誘います。ナビゲーターはもちろんJ君(ジャズ歴2週間)でお送りします。皆さんジャズって聴きますか?J君はせいぜい喫茶店のBGMぐらいでしか聴く機会がないのですが、もう赤いちゃんちゃんこ着てお祝いされる歳まで20年を切りましたし、そろそろ大人の音楽も嗜みたいお年頃です。そこでズージャー・・・つまりジャズですよ。

しかしね、ジャズといえばクラシック以上に小難しくてハードルが高いイメージがある音楽です。あらゆるものをマンガで学びたがるJ君としましてはジャズもマンガで学びたい。とりあえず形から入っておきたいということで見つけたマンガが本日ご紹介する「ラズウェル細木のときめきJAZZタイム」という作品です。そして読んで数ページで確信しました。ジャズマニアは相当めんどうくさい人種だぞ・・・と。


「ラズウェル細木のときめきJAZZタイム」はジャズ専門誌「ジャズ批評」に1986年から連載されていた作品で、作者はタイトルにあります通りラズウェル細木先生。そうです「酒のほそ道」とか「う」などの呑兵衛グルメマンガで有名なラズウェル先生なのですが、実はジャズのマンガでも第一人者なのです。

本作品ではラズウェル先生が御自ら・・・


ジャズの知識ハンパねー

往年のラッツ&スターのような黒塗りで登場します。ちょっ・・・ソウルフルすぎるよラズウェル先生。ちなみにラズウェル先生は普段からこんなに黒いわけではなく、うなぎオンリーマンガ「う」に登場していた時のラズウェル先生は・・・


うなぎでトロけている先生

ただのうなぎ好きのジャパニーズです。とても同一人物とは思えませんね。
そんな顔を黒塗りするほどにジャズに対して気合が入っているラズウェル先生が描くジャズファン(ジャズマニア)あるあるがこのマンガの醍醐味なのです。

作品連載当時の1980年代はまだレコードがCDに移行する過渡期です。ジャズもまだまだレコードが主流。とりわけジャズは廃盤になっている稀少レコードが多いため、ジャズファンの間で中古レコードゲットのための想像を絶する過酷なバトルが繰り広げられているのでした。


乗るしかないこのビッグウェーブ

中古レコードのセール情報があればiPhone 発表直前のアップルストアのごとく人が並び・・・


ジャズマニアのガチ勢

開店と同時に我先にとレコードをゲットしようとする猛者たち。目が血走ってますね。それほどまでにジャズの中古レコードって魅力的なものなのでしょうか。


ラズウェル先生の神業

ちなみにレコード屋さんで中古レコードが収められているダンボール箱を「エサ箱」といい、お目当てのレコードを探す行為を「Digる」といいます。つまりエサ箱をDigるのがジャズファン達の日常なのです。


バック置きジジイ許すまじ

これだけ命をかけて中古レコードを探しているジャズファン達にとって、エサ箱の上にかばんを置いたりするマナー違反行為はもってのほかであります。


レコ弁

「今やレコード屋で弁当を食うのは常識だ!」
中古レコードを探すのに忙しすぎて飯を食べてるヒマもないので、そのままレコード屋に座り込んでで弁当を食っちゃう。これもまたジャズファンの日常なのです(ホントかよ)。

ここまで、生まれながらのCD世代でレコードなんて見たこともないというヤングな人たちにはすでにこの一連のジャズファンの行動は理解不能かと思いますがそれもそのはず、正直リアルタイムに1980年代を生きてきたJ君にもサッパリ理解できません。しかしジャズファン達のめんどくさい生態はこんなものではすまされません。

ジャズファンの醍醐味はやはりジャズ喫茶などで繰り広げられる自己陶酔感溢れる「ウンチク語り」にあるでしょう。このコマを見れば一目瞭然です。


普通にウザい客だろ・・・

何を言っているのかサッパリわからん!オブスキューってオバQの親戚かなにかですか?
ただ、これは鉄道マニアが熱く語ったり、アイドルオタクが熱く語ったりすることにも通じるものがあります。分かってる者同士だけで専門用語てんこ盛りでウンチクを語りあうのってある種の快感なんですよね。

ちなみに当時のジャズ喫茶というのは、純粋にジャズを楽しむところですのででかい声で喋ったりするのは厳禁です。こんな感じで心ないジャズファンが・・・


うるさい客はNG

「ジャマラディンのサウンドってさー」とか夢中になってペチャクチャ語ってたりしますと・・・


毒舌だなー

「テメーの顔の方がよっぽどジャマだっつーの」と嫌味の一つもカマされてしまうのです。ラズウェル先生、酒のツマミには寛容なのにジャズの事になるとかなり毒舌ですね。ちなみにジャマラディンというのはジャズベーシストです。決してジャマな人ではありませんよ。


ジャズでモテるとは限らない

その他にも、狙ってる女子とジャズフェスに行った帰りにラブホに連れ込もうとしてひっぱたかれたり・・・


サックスできたらモテそう

ソニー・ロリンズあたりのカッコイイ演奏に憧れて思わずサックス買っちゃったり・・・。BOOWYに憧れて布袋モデルのギターを買った黒歴史を持つJ君としては、この気持すごく分かります。でも現実には・・・


これが現実・・・

「ママー何の音?」「さあ・・・キリギリスかしら?」
なーんてことを言われてただの置物になるんですよね。まさににっちもサッチモいかない状況です。


そんな都合いい話ある?

お隣に住むジャズ好きのお色気人妻と仲良くなったと思ったら・・・


やっぱりウラがありました

最終的に高額な化粧品を売りつけられてローンを組まされたり・・・。


なんだこれ・・・

ジャズ占いをやったら中古レコードのタタリにあったり・・・。
あるある!いや・・・あるのか?占いのくだりはさすがに違う気がするんですけど。


ヴィレバンは本屋ではありません

最後に初心者の皆さんのために、覚えておいて損はないジャズ豆知識をお教えしましょう。「ヴィレッジ・ヴァンガード」って実はアメリカの有名なジャズクラブの名前で、決して変なグッズを売ってる本屋さんのことではありません!!

というわけでジャズ初心者にもおすすめのマンガ「ラズウェル細木のときめきJAZZタイム」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?ジャズファンの皆様にとってはいい加減にセロニアス!とばかりにモンクを言いたくなるようなレビューになりましたことを心よりお詫び申し上げます。

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出典) 
「ラズウェル細木のときめきJAZZタイム」 ラズウェル細木/集英社ジャズ批評社・松坂

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