ワニとの死闘から鬼退治まで、脅威の展開がスゴいバイク漫画「スーパーライダー」
ライダーだとは言ったが、バイクに乗るとは言ってない!
こんにちはJ君です。最近「スーパー」って言葉がついたものがすっかり心に響かなくなりました。「スーパー●●」は全然すごくない。むしろ近所の西友やサミットといったスーパーマーケットの品揃えのほうがよっぽど心に響きます。
思えば「スーパー」がついてスゲエと思っていた時代は、「スーパーファミコン」「スーパーマリオ」あたりが最後なのではないでしょうか?今だと「エクストリーム」とか「アルティメット」とかつけないと心に響いてきませんね。というわけで、今回ご紹介するのはタイトルは地味だけど、内容がとんでもなくエクストリームなバイク乗りマンガ「スーパーライダー」をご紹介します。
「スーパーライダー」の作者は石渡治先生。個人的には「B・B」とか「火の玉ボーイ」とかが思い出深いのですが、特に「B・B」はボクシング漫画だったはずがいつの間にか傭兵の話になっており、パンチで相手の脳みそが飛び散ったりしているすごいマンガでした。
しかし展開の神がかり方は「スーパーライダー」がはるかに上を行っています。ストーリーは大きく分けて三部構成となっています。
第一部は、暴走族のヘッドだった主人公、坂巻竜一が殺された仲間の復讐のため、プロのロードレーサーの道を歩み、サーキットの覇者になるというもので、当初のコンセプト通り「スーパーライダー」な話です。
第二部は、突如サーキットから失踪し風来坊となった竜一。バイクで日本各地を旅をしながら転々とし、人助けをしたり、悪党を懲らしめたりします。バイクを使ってバトルするシーンはマッドマックス的でエクストリームなライダーといった感じです。
第三部は、優勝賞金1憶円がかかったレースに出場することになった竜一が、インディージョーンズ並みの冒険活劇を演じたり、鬼退治をしたりする話です。ここまで行くともはやルール無用のアルティメットなライダーという感じですよね。
というわけで詳しくご紹介していきましょう。「スーパーライダー」の主人公は坂巻竜一。暴走族のヘッドです。
第一部では坂巻の暴走族時代の仲間だったポン太が、プロロードレーサー立花徹との草レース対決中、立花の卑怯な手によって事故を起こし、死んでしまいました。その復讐のため、坂巻が自らロードレーサーに転身し、レースで勝つことで立花への復讐を果たそうと誓います。
族仲間が殺され・・・
復讐のためプロ転身を誓う
坂巻は旧知の知り合いの「キッド」と呼ばれる天才エンジニアをパートナーに、ロードレースの世界でデビューするのです。しかしその天才エンジニア、キッドですがそのビジュアルが・・・
木戸だからキッド
キッドというか海賊っぽいというね。キッドの意味わかってんのか?みたいな。でもご安心ください。本名が木戸隆だからキッドでOKなのです。何がOKなのかよくわかりませんが。
いかにもスーパーライダーな話
そんなこんなで、坂巻はレーサーとして急成長し、ついに立花とレースで対決が実現!闘いに勝利し、見事復讐を果たすのです。
・・・ここまでは「スーパーライダー」っぽいですよね!?文句なしの正統派バイク乗り漫画です。・・・ですが問題はここからです。
失踪により今までの話がリセットされます
当初の目的を果たした竜一は、目標を見失ったのか、突然置き手紙を残して失踪してしまいます。そして、第二部へ突入するのですが、バイクで旅をしながら日本各地で人助けをしつつ、悪党どもとバトルを繰り広げるというマンガに変貌します。
風小僧はねーだろ・・・
ストイックなレーサーだったはずの竜一のキャラが全く変わってしまい、浜省みたいなサングラスをかけて「風小僧」とか名乗っています。一体どうしちゃっんでしょうか。
目力がすごい
ザンギエフ的な秘技
怒るとサングラスの奥が輝き出し、バイクに乗ったままいろんな秘技を繰り出します。
トゲのあるバイクが登場
そして、御影山四天王なる暴走族とバトルする展開に。バイクでのバトルもだんだんマッドマックスみたいになってきます。
特攻の拓っぽいネーミング
こいつらなんか、異様に弱そうですが、一応四天王です。そして、予想通り弱かった四天王を倒した竜一は・・・・
何の脈略もないからくり人形
こんなよくわからない演出を挟みつつ、悪党のボス「影の帝王」との対決になります。「影の帝王」も中々自分で名乗れるもんじゃないですよ!風小僧以上にハイレベルなセンスです。
月光仮面的センス
はい、これが「影の帝王」です。すげーセンス。月光仮面とかあの辺の昭和のヒーローを思い出します。とりあえず全然「影」ではない。むしろ目立ってる。
ファッションセンスがヤバすぎる影の帝王を倒した後も人助けの旅は続きます。
何やってんだ・・・
人質救出のために鼠小僧っぽい出で立ちで屋敷に忍び込んだり・・・
ほんとバイク関係ないな・・・
ライオンと格闘したり
強すぎ・・・
ワニとバトルしたり
SMショーみたい
イバラのムチで叩かれたり
テロリストか・・・
戦車と戦ったかと思えば
バイクってホント便利
ヘリを撃墜したりもします。
・・・というわけでここまで紹介して、もはや「スーパーライダー」という枠に収まっていないことはお分かりいただけますよね?完全にエクストリームな何かになっています。
そんな世直しバイクの旅も終焉を迎え、遂に第三部へ突入。スーパーがエクストリームになり、アルティメットになっていくわけです。
鬼退治の前フリっぽい名前
第三部では、優勝賞金1億円をかけた「鬼姫島レース」へ出場することになった竜一。
水中でも戦います
巨大イソギンチャクと戦ったり
演出が壮大すぎ
巨大竜巻に襲われたり・・・
第二部を超えるインディジョーンズ並みの冒険活劇です。もはや全然バイク関係ねーなと思い始めている方も多いかと思いますがご安心ください。その代わりと言ってはなんですが・・・
ちゃんとバイクも運んでる
イカダにライドしたり
サメライダー
サメを乗りこなしたりしています。
さすがスーパーライダー!バイク以外のものでもなんでも乗りこなせるんですね!!
鬼に殺されるモヒカン族
さてレースが進んでいくと、賞金を争う屈強なライバルたちが、次々と何者かによって惨殺されていきます。というか、鬼の仕業なんですけど。
鬼の皆さん
それもそのはず、この鬼姫島レースとは、「鬼姫」によって主宰されたレースの名を借りたただの殺し合いイベントだったのです。竜一たちは騙されていたというわけですね。まあ明らかに怪しいイベントなので出るほうがどうかと思いますが。
バイク鬼
というわけで、竜一による鬼退治が始まるわけですが、今更ながらタイトルが「スーパーライダー」というわけで鬼もバイクに乗って襲ってきます。
ハンドル握れないじゃん
で、こんな感じのおっそろしい技を使ってくるわけです。
鬼も竜一にかかれば雑魚同然
まあ、このマンガでは完全に最強の存在である竜一にかかれば、たとえ鬼といえどもボコボコなんですけどね、ていうか、やっぱりバイク乗ってないじゃん。
姫だけどド外道野郎
鬼を一通り倒すと、ついにラスボスである「鬼姫」との対決になります。この鬼姫がまた、ラストを飾るにふさわしい面白キャラなんですが、もし興味がありましたら作品を読んでいただくということで。
鬼退治が青春
というわけで地味なタイトルですっかり見過ごしていたのですが実は本当にスーパー過ぎたバイク漫画「スーパーライダー」をご紹介してみました。ほんとタイトルだけで判断しちゃいけませんね。ちなみにこのマンガのサブタイトルは「激走青春ロード」となっています。たぶん最初は、鬼退治とかではなく、さわやか青春真っ盛りな話にしたかったんだろうなあ・・・という名残が感じられてとってもシュールですね。
■■■
出典) 「スーパーライダー」 石渡治/小学館
倉井スエ様、作品の情報提供ありがとうございます。