文部省推薦のゲーム戦士が登場!
こんにちは、昭和のおっさん大歓喜、平成キッズをおいてけぼりにすることでおなじみ当サイトがお送りする「ゲームセンターあらし」レビュー後編であります。前回はレジェンドゲームマンガ「ゲームセンターあらし」の概要を紹介しましたが、後編では更にディープに、作品のヤバい部分ばかりを煮詰めてご紹介していきたいと思います。
■舞台装置に金かけすぎ、超豪快なゲーム対決シーン
「ゲームセンターあらし」といえばその豪快過ぎる舞台装置が見逃せないポイントとなっています。たかだか小学生のインベーダーゲーム大会なのに、どう見ても億単位の金が動いているとしか思えません。

当然のように超満員
球場のスコアボードにゲームを表示させるのは序の口として・・・

かえって見ずらいだろ
洋上の巨大タンカーに設置されたスクリーンとか・・・

オリンピックより入ってないか?
国立競技場一面に映し出されるスペースインベーダーとか・・・

どうやって設置してんだ
切り立った渓谷の中に張り巡らされた巨大スクリーンみたいな自然の摂理に反するパターンもあります。
eスポーツはおろか、プロゲーマーみたいな概念が全く無い時代に、よくわからない難癖をつけて誘拐同然に身柄をさらったガキンチョに無理やりゲーム対決をさせて、これだけの巨大イベントを成立させてしてしまうなんてどんな敏腕プロモーターだよっていう・・・まあとにかく夢があります。さすがコロコロマンガ。

ホントの意味で無理ゲー
スクリーンがデカいのはまあいいとして、コントローラーやボタンまでデカいのは嫌がらせだろ・・・。
前編では紹介してませんでしたが、あらしの初期のゲームは、かなりマニアックなものもあります。作品中でよく紹介されていたギャラクシーウォーズやミサイルコマンドなどは知ってる人も多いかもしれません。

ギャラクシーウォーズ(参考)

ミサイルコマンド(参考)
ちなみに以下のゲームはJ君はやった記憶がないです。知ってる人はかなりのレトロゲーム通なんじゃないでしょうか。

レッドタンク(参考)

バルーンボンバー(参考)

トランキライザーガン(参考)

ディフェンダー(参考)
■ゲームセンターあらし、ゲームセンター行ってない説

最初はゲーセンのシーンもあったが・・
「ゲームセンターあらし」は屋外イベントでライバル達とゲーム対決をする話が中心のため、タイトルからは意外なほどにゲームセンターが出てきません。これには昭和ならではの深い理由がありました。

ゲーセン出禁小学生
インベーダーゲームが空前のブームとなるのに呼応するように、ゲームセンターで偽硬貨が使われるようになったり、お金を盗んだり恐喝したりする学生が増え、ゲームセンターが不良の温床のように世間で見られるようになってしまったのです。そういえば当時小学生だったJ君も、おっかない中学生にカツアゲされるんじゃないかと、ビビりながらゲーセンに行ってました。

自己矛盾に苦悩するあらし
こんな事情があったからこそ、野外イベント対決や異世界転生するストーリーが中心の展開となり、空中を飛び回るような豪快な必殺技が増えていったのかもしれません。そういう意味では、ゲーセンが出入り禁止になっていなければぜんぜん違う作品になっていた可能性もありますね。
中盤以降のあらしでは、ファミコンなどの家庭用ゲーム機にも移植されるようなメジャーなゲームが出てきます。まだ名もなき時代のマリオが活躍する「ドンキーコング」とか。ワープマンという名前でファミコンに移植された「ワープ&ワープ」とか、レバー二本をガチャガチャやってビルを登っていくという最高にクレイジーな操作方法の「クレイジークライマー」とか・・・ファミコン版に移植されたクレイジークライマーがあまりに無茶すぎて泣いたのはいい思い出です。

クレイジークライマー(参考)

ドンキーコング(参考)

クイックス(参考)

フロッガー(参考)

ルート16(参考)

スクランブル(参考)
■ライバルもイカれているやつばかりでパワーインフレの極み
連載が長く続いていくに従って、「真空ハリケーン撃ち」「グレートタイフーン」「超新星スーパーノヴァ」など宇宙レベルに進化した必殺技を次々に繰り出すあらし。
それに呼応するようにライバル達のイカれ具合も歯止めが効かなくなってくるのですが、ライバル物の集大成といえば、世界中のゲーム戦士たちが集まるTVゲーム世界チャンピオン決定戦の回です。

各国から選りすぐられたゲーム戦士
世界中から○○戦士が集まって○○世界一を決めるっていうのは少年漫画では鉄板のパターンですが、「ゲームセンターあらし」でも当然やります。そこはやっぱり決めときたいじゃないですか、TVゲーム世界一を。

カイジもびっくり
世界一決定戦ともなれば、その対戦方式は当然過酷なものになります。カイジもびっくりの戻れば毒蛇、足を踏み外せば奈落の底という極限状態でゲームをさせられたりします。それ、ゲームの実力に全然関係ないだろ・・・って考えたら負けです。令和よ!これが昭和のeスポーツだ!(違います)

今だとたぶんNGなやつ
ちなみに各国代表の必殺技の中でもとりわけヤバいのは、ドイツ代表のシュミットの必殺技「かぎ十字急降下」です。色々とコメントしづらいヤバさがありますよね。

推薦されてます
その他にも文部省推薦(?)のゲーム戦士、インベーダーウーマンの必殺技・・・

ヌーブラじゃないよ
「ノーブラボイン撃ち」がだいぶヤバいです。何がヤバいって、お子様向けの雑誌「コロコロコミック」で普通に「ノーブラボイン」というパワーワードが飛び交っているというね。いや、この時代はこれが普通だったんです。スカートめくりとかも普通に存在したし・・・。小学生低学年のお子様が親御さんに「ねえねえノーブラって何?」って質問するというシュールな光景が目に浮かびますね。

ボインをフル活用する母ちゃん
ちなみにインベーダーウーマンの正体は、どうみてもあらしの母ちゃんだというのが、当時の読者の暗黙の了解でした。
「ゲームセンターあらし」は中盤以降、アーケードゲーム中心だった時代から、ポータブルゲーム、家庭用ゲームの時代に入っていきます。代表的なのが、ファミコン以前の任天堂から発売されていたゲーム&ウォッチシリーズ。今見ると、超単純な液晶ゲームにデジタル時計がついただけのシンプルすぎるゲーム機ですが、当時はゲームを持ち歩けるということ自体が画期的で、誕生日やクリスマスに買ってもらった小学生が学校で見せびらかして先生に取り上げられるという黄金パターンが確立されていました。その後に登場したゲーム電卓は、電卓を使って勉強をしているフリをして実はゲームができるという悪魔のようなアイテムでした。まあバレバレだったんですけど。

ゲーム&ウォッチ マンホール(参考)

ゲーム&ウォッチ パラシュート(参考)

ゲーム電卓(参考)

ゲーム電卓IIIボクシング(参考)

スペースレーザーウォー(参考)
■「ゲームセンターあらし」の最終回はどんな感じだったのか?
ところで、当時「ゲームセンターあらし」を読んでいた人も作品後半の展開を知らない人は意外と多いのではないでしょうか?実名でのゲーム紹介がバリバリだったあらしですが、終盤はTVゲームと言うよりは「ゲーム戦士」の概念が強くなり、実名のゲーム紹介もほとんどされなくなります。

実名は出ないけどどう見てもゼビウス
異世界アドベンチャー的なストーリー展開で、炎のコマで肉体的に敵をぶっ飛ばしたりするようになります。そりゃあ手から炎を出したり、雷を出せるんですからゲーム以外の用途で使わない手はありませんよね。もはやゲームを出す必然性もだいぶ薄くなってしまうのですが・・・。

ここまで来ると別のマンガ
というわけで、「ゲームセンターあらし」とレトロゲームの数々をご紹介してみました。
平成、令和を生きるキッズたちは何のことやらさっぱりかもしれませんが、そもそもそういう若者は当サイトを読んでないと思うので無問題(死語)ですね!

確かに侵略者(インベーダー)な人物もいますね
最後に衝撃の事実を・・・あらしでは、歴史に名を残した人物はみなインベーダーキャップを被っていた!という教科書には載っていない裏歴史が紹介されています。知りませんでしたね。そういえば大谷翔平もインベーダーキャップらしきものを被ってますしね(被ってない)
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引用)
「ゲームセンターあらし」 すがやみつる/小学館/太田出版













