「ゲームセンターあらし」に学ぶ、昭和レトロゲームの世界(前編)

 

「ゲームセンターあらし、意外とゲーセンに行ってない説!」
みなさん、テレビゲームやってますか?現在圧倒的に品薄なPS5やら、新型Nintendo Switchの状況をみるとまだまだ据え置き型のゲーム機の需要って凄いんだなと思わずにいられませんが、J君をはじめとするOVER40な老兵からしますと、コントローラのボタンが多すぎるんですよ。LボタンとかRボタンまでならまだしも、なんなんすかZRとZLとかRスティックとかって。そんなところにあっても押せないっつの。関係ないけど昔L⇔Rってバンドがいましたね。

本日はそんな十字キーにAボタンBボタンまでしか対応できない、悲しき僕ら昭和レトロゲーマーの精神的支柱となっていたカリスマ的マンガをご紹介します。そう、当サイトで紹介してそうで実は紹介していなかった「ゲームセンターあらし」をサイト開設20年目にしてはじめて紹介します。

  

■コロコロの黎明期を支えた大ヒット作

  


読み切り版あらし

  

「ゲームセンターあらし」(作:すがやみつる先生)はコロコロコミックの黎明期を支えた大ヒット作であることは、幼少期をゲームで過したミドルエイジャー達にとっては言うまでもありません。1978年と1979年に2回読み切りが掲載され、1979年から1983年までコロコロコミック誌上で連載されていました。1982年にはアニメ化もされており、「あっ、あっ、あらし~!」という主題歌を口ずさめる諸兄も多いのではないでしょうか。

「ゲームセンターあらし」以前のコロコロコミックといえば「ドラえもん」「オバケのQ太郎」に代表される藤子不二雄先生のマンガがメインだったイメージがありますが、「ゲームセンターあらし」によって確立された「とりあえず理由をこじつけてバトル開始」「物理法則を無視する必殺技」「無限インフレする能力」路線は、当サイトでも紹介している「とどろけ!一番」「釣りバカ大将」「ゼロヨンQ太」等の後発マンガに多大に影響を与えています。

それ以降もコロコロコミックは「お子様ホビー✕バトル✕必殺技」の組み合わせで数々のヒット作を生んでいますが、そのルーツは「ゲームセンターあらし」にあるといっても過言ではありません。

■インベーダーキャップと出っ歯がトレードマーク

  


生活に支障が出るレベルの出っ歯が特徴

「ゲームセンターあらし」の主人公、石野あらしはゲーム好きの小学6年生。小学1年生から通信簿がオール1という圧倒的に低スペックな頭脳ながら、ゲーム時だけは天才的な能力を発揮します。トレードマークは常に着用している赤いジャンバーとインベーダーキャップ。そしてダイヤモンドより硬い出っ歯を持ちます。

  


大ブームを巻き起こしたインベーダーキャップ

  

また、あらしのライバルゲーマーとして登場し、そのあとは仲間としてほぼレギュラー出演するのがゲームプログラマーでお金持ちの秀才「大文字さとる」と配下に50万人を持つインベーダー大好き番長「月影一平太」の二人。普段はあらしの取り巻きみたいな感じですが、いざチームバトルの展開になると、噛ませ犬として重要な役割を果たします。

  


スネ夫とジャイアンみたいな感じ

「ゲームセンターあらし」はゲームセンターで空前のブームとなった「スペースインベーダー」に触発されて連載開始しています。当然ながらまだファミコン(1983年~)は存在しておらず、紹介されるのもいわゆるゲーセンに置いてあるテーブル型の筐体が中心でした。

  


古典ゲームの代表格ブロック崩し(参考

  


ゲーセン通いを加速させたスペースインベーダー(参考

  


カラーになっただけ?なインベーダー2(参考

  

この頃のゲームは、スティックを左右にしか動かせず、押せるボタンも1つが主流でした。「ブロック崩し」はダイヤル型のコントローラーになっている物も多かったですね。上下左右にキャラ操作をさせるのはまだ夢のまた夢といった状況でした。こんなに操作がシンプルならさぞかしゲームも簡単なのだろうと思うかもしれませんが、とんでもありません。

今時のコンシューマーゲームに比べたら難易度設定は容赦ありませんでした。数秒から数分で100円玉が湯水のごとく消えていきます。当時のレトロゲームは恐るべき集金マシーンでもあったのです。

  

■リミッター無しでインフレし続ける必殺技の数々

  


体力づくりに余念のないあらし

  

「ゲームセンターあらし」の代名詞といえば「炎のコマ」に代表される必殺技の数々。そのどれもが、「できるわけねーだろ」「操作ミスってむしろ死にそう」等々のツッコミどころしかありませんが、あえて常識を無視したからこそあらしは特別なマンガとなりえたのです。

  

□水魚のポーズ

チャクラが開きそう

ド派手な技の多いあらしの必殺技の中では最も地味な初期の技。ゲーム中にヨガを取り入れることで精神統一を図り、見えないものが見えてくる、敵の動きが遅く見えるなどの効能があります。瞑想中は決して自機が死んだりしない、ご都合主義が過ぎる必殺技です。

  

□月面宙返り(ムーンサルト)

ムーンサルトり、だと思ってたの俺だけ?

炎のコマ、エレクトリックサンダーと並ぶ、あらしの3大必殺技の一つ。宙返りをキメながらレバーとボタンを操作するという、確かにド派手だけどそれやる意味があるのか度が非常に高い技です。そのせいなのか、かなり早い段階で単体では使われなくなり、「月面宙返り十二段打ち」とか「月面宙返り竜巻落とし」みたいなアレンジ技が中心になります。
ちなみに当時小学生だったJ君はアホなので「ムーンサルトり」って読むものだとずっと思ってました。

  

□炎のコマ

消防法的にヤバい

  

高速でレバー操作をするための特訓で素手を使って超高速でコマ回しをしていたらコマから炎が出るようになった(んなアホな)という技です。以降、あらしの代名詞的な必殺技になっていくのですが、当然マンガなので服とかに引火したりはしません。普通に使っててもすぐに壊れることで有名なSwitchのジョイコンとかでこれをやったら出費がエラいことになりそうですね。

  

□エレクトリックサンダー

エレクトリックダンサーじゃないよ

  

腕をすり合わせた摩擦によって電気を発生させ、ゲームをバグらせるというとんでもない必殺技。あらしは小学生にして炎もだせれば雷も出せるのです。もはや聖闘士星矢のようですが、ゲーセンでこれやったら普通に出禁になりそうですよね。

このあとも必殺技がどんどんパワーアップして「スーパーノヴァ」とか「グレートタイフーン」とか「スペクトル分身撃ち」などなど、ゲーム筐体の負担がヤバそうな必殺技の目白押し。インフレが止まらないのですが、なにげに一番すごいのが、自らの身体的特徴である出っ歯を最大限に利用した技・・・

  


それもとに戻せるの?

  

「出っ歯神経リモコン」がおもしろすぎてズルいので紹介しておきます。

  


あらしによく出てきた平安京エイリアン(参考

  

インベーダー以降であらしに出てくるゲームで印象的なのは「平安京エイリアン」というゲーム。平安京に出現したエイリアンを穴をほって埋めて殺すという、字面だけだとなかなかエグいことをしているゲームです。エイリアンへの対抗策が穴をほって埋めるというのが地味でいいですよね。なぜかレトロゲームって穴ほったり埋めたりするゲームが凄く多い気がします。ちなみにあらしに触発されて幼少期に数回やったことがありますが、激ムズですぐに挫折した記憶があります。

  


自機が合体するあたりにロマンを感じるムーンクレスタ(参考

  

あらしで紹介されて個人的にゲーセンでやりまくっていたのが「ムーンクレスタ」です。自機が3段階にドッキングできるという、インベーダーやギャラクシアンにはなかったキッズの夢をかなえるギミックが斬新でした。ただしドッキングに失敗すると自機を失ってしまうというシビアさもあり、敵キャラも適度にキモくて倒しがいがあったものです。

その他に、みんな知ってるナムコのゲームも頻出してました「ギャラクシアン」「パックマン」「ラリーX」などなど。

  


ギャラクシアンの後に出たギャラガもいいよね(参考

  


パックマンをちゃんと解説してるのってレアですよね(参考

  


ニューとニューじゃないのがあるラリーX(参考

  

この中でいうと「ラリーX」は比較的マニアックですかね?どんなゲームかというと、自分の操作するレーシングカーを操作して追っかけてくる敵のレーシングカーから逃げながら、旗を全部ゲットするゲーム。車から排気ガスを出して敵を目眩ましするんですが、どう見ても排気ガスじゃなくてオナラにしか見えない、そういうゲームです。

というわけで、「ゲームセンターあらし」もレトロゲームもまだまだ紹介したりないので後編レビューに続きます。ライバルキャラとかもだいぶヤバいです。

  


謎の覆面ゲーマー、インベーダーウーマンの必殺技

今の御時世だとたぶんアウトな「ノーブラボイン撃ち」とかも紹介予定です。

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引用)
「ゲームセンターあらし」 すがやみつる/小学館/太田出版

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