GAMEKING 高橋名人VS毛利名人　（後編）

前編より続きます。



全国2000万人の高橋名人ファンの皆様お待たせしました。（別に待ってねえし2000万人もいねえ）



高橋名人にまつわる噂は様々ありますね。たとえば、警察の１日署長をやっただけなのに、なぜか脱税容疑で逮捕されたことになっていたり、ジョイスティックにバネを入れてインチキ16連射をしているとか、腕に筋肉注射をして痙攣させているとか、全部デマですから。本人がインタビューでデマだって言ってましたから！

まあ、別にそんな弁護をするメリットは特にないのですが、前編に引き続き、高橋名人VS毛利名人を題材にした伝説のファミコンカルトムービー「GAMEKING」をご紹介いたします。スターソルジャーでのサバイバル5連戦に備え、高橋名人が16連射スイカ割り。毛利名人がトランプのピラミッドを完成し決戦の準備は万全。いよいよGAMEKINGを決める頂上対決というところまで前編でお伝えしました。

何度見ても惚れ惚れするシーンです

いきなり話はそれますが、この「GAMEKING」の同時上映は「ランニングボーイ 　スターソルジャーの秘密」というアニメでした。はっきり言ってこの映画も相当キテます。スターソルジャーの開発秘話を語ったアニメ仕立ての映画なのですが、アイデアに詰まって美女を横にはべらし酒浸りのスターソルジャーのプログラマー野本氏にカツを入れるため、高橋名人が砂浜でブン殴るエピソードなどが挿入されており、嘘臭さ満点です。こちらのサイトで見ることができますよ。



さて話を戻します。まずは対決をする直前に、毛利・高橋両名人へのインタビューです。

毛利　「高橋さんは僕にとって大きな壁でした。この戦いに勝って僕が頂点に立ち たいですね」

おおっと、口調はかなり棒読みですが気合いは十分なようです。

一方の高橋名人も、顔に似合わず青年ぽい爽やかな口調で語ります。

高橋　「対戦が決まってからこれまで、ほんっと辛くて・・ファミコンなんかで 何でこんな思いしなきゃならないのかなって・・」

オイオイオイ、大丈夫か名人！えらく弱気です。ファミコンキッズ達の期待を担う男が、そんなホンネを吐いていいのか？お前がそれを言っちゃおしまいじゃないのか？なあ利幸！

左右分割で両名人の表情を映し出す

そして決戦。ナレーションがまた無責任にアオりまくりです。

「2000万人を越えるファミコン戦士の頂点に立つのは果たしてどちらか！？」

みたいな。ファミコン戦士が2000万人いるのかどうかは非常に疑わしいですが、ひたすらゲーム画面と両名人の顔ばっかり映す単調な展開の映画だけに、アナウンスや実況は非常に重要なファクターとなっています。実況は実に絶妙。

「蝶の様に舞い蜂のように刺す！毛利名人の無駄のない動き！」 　「おおっと！高橋失敗！あれほどの男がどうしたというのだ？」 　「両名人スゴイ連射！弾がほとんどつながって見えますっ！」 　「まさに神技対神技！人間ワザとは思えない、ゴッドハンド！神の手だ！」 　「高橋が追い上げるっ！高橋がっ！高橋がっ！」

・・競馬中継も顔負けの実況テンションの高さで一気に最高潮へ。



そんな感じで、高橋名人の16連射には劣るものの、14.2連射を繰り出しながら無駄のない動きで着実に攻略する毛利名人が有利な展開でストーリーは運ぶのですが、突然毛利名人がミスを連発。一気に高橋名人有利に形勢逆転！そのまま一気に勝利か？と思いきや、最後の最後で今度は高橋名人がでかいミス！みたいな、いかにも分かりやすいシーソーゲームで観ているファミコンキッズ達をハラハラドキドキさせてくれます（たぶん）。

高橋名人の服のセンスも注目だ！！

結局結果は5戦中、毛利名人が3勝して高橋名人が2勝。ただし5戦した合計スコアは高橋名人が多いので引き分け！みたいな双方に花を持たせた不透明な結果になります。スゲぇ子供だましチック！



ってか、誰が見ても自分の会社（ハドソン）のゲームで3敗もした時点で高橋名人の完敗じゃねーの？って気もするんですが、いろいろな大人の事情とかあるんでしょうから黙っていようと思います。

子供達は真剣に応援してます

まあ、結果なんかどうでもよくて、この作品を見て一番驚いたのは、この時点で高橋名人が27歳だったって事（毛利名人は19歳）。てっきり30代後半のオッサンだと思ってましたよ。ゴメンね名人！

参考）　「GAMEKING」の不透明な　対戦結果 　×毛利　1回戦　○高橋 　○毛利　2回戦　×高橋 　○毛利　3回戦　×高橋 　×毛利　4回戦　○高橋 　○毛利　5回戦　×高橋 　毛利名人の3勝2敗 　5戦の合計スコア 　毛利名人スコア合計　3260800　× 　高橋名人スコア合計　3452300　○

完全決着ならず・・・