ファミコンだってラブコメしたい!!幻のファミコン少女マンガ 「ファミコンまりクン」
ウラワザ使うと得点がぜんぜん違うんだぜ、教えてやるよ!
こんにちは最近のゲームは全然わからないけどレトロゲームにはちょっとうるさい男、J君です。みなさんファミコンやってますか?まあ普通はやってませんよね?最近はこういうレトロゲーがプレイできるゲーム機があるみたいなんですけど、正直買おうかどうか猛烈に悩んでいます。
さてファミコン世代ど真ん中の管理人が運営する当サイトでは過去にファミコンマンガを色々とご紹介してきました。狼に育てられた主人公がファミコンをするマンガや、イクラを使ってファミコン特訓するマンガ、北斗の拳みたいなファミコンマンガ等々。しかし、あれほどマンガ界を席巻したファミコンブームに、ファミコンがテーマの少女マンガはただの一つも見つけることはできませんでした。そして苦節10余年!ついにファミコン少女マンガを見つけました。その名は「ファミコンまりクン」。少女マンガとファミコンの融合、果たしていかなるものなのでしょうか!?
学年誌に連載されていた「みらくるミミKun」
「ファミコンまりクン」は実は、単体で単行本化されているわけではなく、うえだ未知先生の「みらくるミミKun」という作品の、単行本3巻と4巻の巻末にひっそりと収録されています(紙版のみ)。うっかりしてたら見落とすかもしれない存在。これが幻のファミコン少女マンガといわれる所以です。
ちなみにメインの「みらくるミミKun」は猫耳が生えてきて怪力になるという特殊能力を持つミミKunが、自分の正体を明かそうとする意地悪な女子達の魔の手をかいくぐってイケメン男子をゲッチューする話です。いいですね、この昭和な設定。ちなみに同じ猫耳系少女マンガで「Sweetらぶらぶ」というマンガも当サイトで紹介しています。
では、当サイトにとってのメインディッシュとなる少女マンガ「ファミコンまりクン」をご紹介していきましょう。
マリオ大好き女子
主人公の少女、まりクンはこの通り、マリオ大好きっ子。休み時間のガールズトークでもお手製のマリオのぬいぐるみを自慢していますね。傍目に見ると結構な不思議ちゃんと言えますが、あえてファミコンをテーマにする以上はこのぐらいは必然です。
少女マンガにつき物なのは、イケメンだけどちょっと意地悪なボーイフレンド。いわゆる「気になるアイツ」の存在ですが、本作品も当然登場します。それが桃木、通称「桃くん」です。
イケメンでもファミコン名人になりたい時代
普通の少女マンガと違うのは、イケメンポジションにある彼が自ら「ファミコン名人と呼んでくれ」とアピールしていることです。当時「ファミコン名人」といえば高橋名人のイメージが強いですから、高橋名人のようになりたいと言っているも同然です。そう考えるとなかなか衝撃的ですね。
ウラワザという言葉自体の解説
その自称ファミコン名人の桃くんがドヤ顔で語るのが、「ウラワザ使うと得点がぜんぜん違うんだぜ、教えてやるよ!」というセリフ。まだファミコンをよく知らないウブな少女達のために、わざわざ「ウラワザとは知ってるとおトクなひみつのテクニックさ。」などといった丁寧な解説まで付きます。
少年マンガではまず裏ワザの用語説明などありませんよね。それどころか、いきなり「阿修羅乱れ打ち」などの必殺技が放たれるのが男のファミ漫です。
ウラワザで妬かせる罪な男
「まずここでキノコをとるだろ・・・。」
そして、さすが少女マンガというシーン。なんと、女の子にウラワザを教えるだけでモテモテ!しかもヤキモチまで妬かれています。そう、この時点でラブコメが成立しているのです。少年マンガではありえないシーンです。ウラワザがスゴいからモテるのか、単にイケメンだからモテモテなのか?そこは皆さんの判断に委ねたいと思います。(たぶん後者)
まさかのゲームイン
ラブコメシーンでキャッキャウフフした後は、いきなり主人公のまりクンがスーパーマリオの世界に取り込まれるという強引な場面転換。これは「ファミコン風雲児」などと同じ、主人公がゲームの中のキャラになりきる方式です。つまり自らがスーパーマリオとして、世界からの脱出を図らなければいけないのです。
本格的な攻略法
そこで繰り広げられるのは、コミカルな絵柄で思いのほかガチなスーパーマリオ攻略マンガでした。このマンガを参考に真剣にスーパーマリオを攻略してやろうと考える読者が当時、はたしていたのでしょうか?狙い所が謎ですね。
ワープゾーンの解説が妙に詳しい
このようにかなり細かく攻略法が描かれているのですが、ファンシーで可愛らしい、ほのぼのした雰囲気はやはり既存のファミ漫と一線を画しているといえるでしょう。しかし、ここで油断してはいけません。一度キノコやカメにやられてしまうと…
まさかの暗転
死に直面すると突然シリアスに
突然死を意識したようなシリアスな少女マンガモードに。そこは急にガチなるのか!
鉄山靠みたいな技で撃破
そんなまりクンですが、クライマックスではもちろんラスボス、クッパを撃沈。無事、ピーチ姫を救出します。ただし、救出したピーチ姫の正体が実は…
まさかの男の娘プリンセス
女装した桃くんだった!というオチでした。そう、つまり勘の良い人なら気づいていたかもしれませんが…
マリくん=マリオ
桃くん=ピーチ姫
という設定だったのですね。スーパーマリオって、男装した女の子が女装した男子を救うゲームだったのか!この展開は読めなかった!!
ラストは無理やりラブコメに
最終的にはもちろんヒロインとイケメンの愛が成就します。スーパーマリオが育む愛。いやー実に少女マンガらしい発想ですね。と同時に少女マンガにファミ漫がほとんど存在しない理由もなんとなくわかった気がします。たぶんラブコメとの相性が激ワルなのです。
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出典)「みらくるミミkun」「ファミコンまりクン」 うえだ未知/小学館
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