巨大ロボの出てこないスパイダーマンなんて・・・スパイダーマンじゃない!
前回は今夏期待のハリウッド映画スパイダーマン2、その大々的なプロモーションに一石を投じる内容でした。そう、スパイダーマンは実は日本版が面白い。J君の主張はまさにこれでした。日本版のスパイダーマンにはハリウッド版にはないいくつかの優れた特徴があります。
原作とは全然違います
主人公はイケメンの日本人。
超リアルな?変形
登場する巨大ロボが限りなく超合金ぽい。
縄目が見えまくり
スパイダーマンの手から飛び出すクモの糸がどう見ても縄に見える。等々・・・
というわけで、今回はその日本版スパイダーマンの中でも特に秀逸なストーリーをご紹介したいと思います。ちなみにこの場合の秀逸というのは「ツッコミどころ満載」と同義です。
東映TVシリーズ スパイダーマン第31話
「明日なき子連れ刑事」
原作とは全然違います
ストーリーをご紹介しましょう。日本中の若者にシンナー、トルエンに変わるドラッグとして広まっている謎の幻覚剤「マッシュ」。この「マッシュ」製造の黒幕は400年もの昔から日本侵略を狙っていたスパイダーマンの宿敵、「鉄十字団」だった。そして、スパイダーマンの他にも行動する男がいた。麻薬Gメン、立花豪。彼は、麻薬捜査には何故か必ず子供を連れて行く子連れ刑事なのです。なんという型破りな刑事でしょう。ついでに日本の法律も破ってそうです。
そしてこれがその子連れ刑事
何故かメキシカン
なんでしょう・・・このドンタコス親子みたいなのは?
しかもギターが相棒・・・
一見すると、この刑事自体がクスリをキメちゃってるような気もしますけれども、子連れなのはワケがあったのです。
麻薬Gメン立花豪は幻覚剤「マッシュ」の捜査中、何物かに妻を殺害され、逃げようとした息子は車に跳ねられ記憶喪失になってしまったのです。息子の失われた記憶を取りもどすため、息子と一緒に麻薬捜査をしているのです。
なるほど、そういう理由があったんですね。要するに公私混同です。
顔色悪いです
「日本中の若者にバラ色の夢を!マッシュを売れい!」
「売って売って売りまくれい!」
このどこかの営業部長のようなセリフを叫ぶお方こそ、「鉄十字団」のボス、モンスター教授。新型ドラッグ「マッシュ」を売りさばき日本侵略を狙います。400年前から日本侵略を狙ってる割りには地味な第一歩です。
さて気になる「マッシュ」の製造工程もご紹介しておきましょう。「鉄十字団」のドラッグ製造工場は白衣を着た研究員達により厳格に管理されています。
全身タイツに白衣・・
例によってクチバシ付きですけども。
そして、怪人キノコンガーが毒キノコを機械(ただの箱)に投入すると幻覚ドラッグ「マッシュ」出来上がるのです。とてもカンタンですね!
ただの箱・・だよな?
ちなみに使用するキノコは、
体に生えまくり
自前なのでとてもリーズナブル。
怪人とは言え、体中にキノコが生えるのはさすがにヤバイ病気だと思うので、医者に行った方がいいんじゃないかと、他人事ながら心配してしまいます。
目がアレ状態
(゚∀゚)アヒャヒャヒャ(゚∀゚)
このように、「マッシュ」をやった若者は、突然刃物をもって暴れたり、笑いながらバイクでトラックに激突したりと、確実にキ○ガイへと変身します。これはいけませんね。下手すると9階のテラスからも飛びかねません。
独自に捜査を展開する子連れ刑事立花は、鉄十字団と提携し「マッシュ」を流通させている銀河興産という企業に殴り込みをかけます。
壊れるよ?
ギター片手に大暴れ
白目むいてるよ・・
ボスの居所をダイナマイトで脅して吐かせます。なんという強引さ。本当に刑事なんでしょうか?そして、父親の活躍をじっと見つめる息子、タケシ。きっとまっすぐな大人に育つんでしょうね。
将来が心配です
そして、同じく「マッシュ」の謎を追う我らがスパイダーマンがついに子連れ刑事と接触。協力しようと持ちかけるが断られてしまいます。そりゃあ、こんな目立つ全身タイツの人に協力してもらっても・・・まあ普通断りますよね。
なかなか出番のない主人公・
そんなこんなで、大暴れの子連れ刑事、しかしやりすぎた捜査が裏目に出て、ついに「鉄十字団」のワナにはめられてしまいます。そう、息子のタケシを人質に取られてしまうのです。
イマイチな主人公
せっかくカッコよく救出に入ったスパイダーマンも人質の子供を見て身動きできず。大ピンチです。
なんか狙ってるぞ
しかし子連れ刑事は何を思ったか突然ギターを弾きはじめ・・・
スパイグッズかよ・・
ズギュンズギュン!
子供がいるのに・・
うわっ!弾が!!
そうなのです、子連れ刑事のギターは実はマシンガンなのでした。ものスゴいカモフラージュです。ギターにもちゃんと意味があったんですね。
みるみる巨大化
そして、番組的に宴たけなわ。ついに怪人が巨大化する時間となりました。もちろん巨大化する必然性は全然ありません。
それに対抗して巨大ロボレオパルドンを呼び寄せるスパイダーマン。まずは巨大戦艦型のマシーンが登場。
スパイダーマンのアイデンティティが崩壊・・・
スパイダーマンの掛け声とともに途中で巨大ロボに変形。もちろん途中で変形する必然性は全然ありません。最初っからロボでいい。しかしながら巨大ロボ、日頃の激しい戦闘のせいか、着ぐるみが破れ・・・ではなく金属疲労による故障が目立ちます。
破れてます
ちゃんと直そうよ!
最後は、ビームサーベルみたいなので怪人をサクッと退治。ロケットパンチで「マッシュ」製造工場を爆破。鉄十字団の野望はまたしてもスパイダーマン(正確に言うと、子連れ刑事と巨大ロボ)によって潰えたのでした。っていうか、最初から巨大ロボが出てれば即解決していた気がします。
はじめからやれよ・・・・
というわけで、ツッコミを入れているだけであっという間に30分が過ぎ去ってしまう、そんな日本版スパイダーマンいかがだったでしょうか?J君的にはハリウッド版よりオススメ。むしろスパイダーマンは日本のものだと言い切りたいです。
道に迷うスパイダーマン
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参考) 東映版全話紹介 池上遼一版スパイダーマン
ゲーム版スパイダーマン スパイダーマンのテーマ??(wma)
出典) 「スパイダーマン1 」
(C)東映ビデオ/東映