世の中にはサイエンス・エンターテナーという職業があるのをご存知でしょうか?・・・もう一度言いましょうか?サイエンス・エンターテナーですよ。意訳すれば超常現象っぽいネタでエンターテイメントする人です。使用例も紹介しましょう。
子 「僕、大きくなったらサイエンス・エンターテナーになるんだ!」
親 「ばばばば、バカ言ってんじゃねえぇ!狂ったか?」
てな感じで、使います。使いませんね。
とにかくこの手の職種は、プリンセステンコーの「イリュージョニスト」、北尾光司の「スポーツ冒険家」、高橋名人の「ファミコン名人」と肩を並べるほど胡散臭さ抜群の職種である事は言うまでもありません。
そんなサイエンス・エンターテナーあすかあきお先生が描く超常現象をテーマとしたマンガに「ショック・サイエンス」という作品があります。超常現象を扱ったマンガの代表作として「MMR」を思い浮かべる人も多いかも知れません。しかしMMRはノストラダムス万歳!宜保愛子万歳!、お前らそろそろ地球滅亡すっから、今のウチに核シェルターにでももぐっとけ!的スタンスで語られるのに対し、この「ショック・サイエンス」は超常現象を比較的科学的に分析するスタンスにあります。プラズマ万歳、大槻教授万歳!ユリ・ゲラーはくそったれ!な感じで、その性質は大きく異なっています。
この作品から次々語られるあすか先生のトンデモ仮説には毎回度胆を抜かれます。
「ティラノサウルスは実は哺乳類だったっ!」 「神隠しはプラズマのせいだったっ!」 「恐竜はまだ生き残っているっ!」 「キャトルミューティレーションは、宇宙人とプラズマの連係プレイだっ!」 「アメリカはノストラダムスの予言を利用して第三次世界大戦を起こそうとしているっ!」
|
ってな具合にどんどん内容がエスカレートして行きます。(そう考えるとあまりMMRと変わらないな・・)しかもマンガの中であすか先生は思いっきり宇宙人と握手したりUFOを目撃したり、秘密を握りすぎてしまいアメリカ軍に拉致された上、ミサイルで攻撃されたりしてます。その他にも微妙に不鮮明な証拠写真が挿入されまくりでどうにも胡散臭さムンムンです。
あすか先生@宇宙人と遭遇中 |
あすか先生は毎回言い切り口調で自説を展開するのですが、いつも最後にはアメリカ軍やら謎の組織やらがきっちりジャマをして、「解明まであと一歩のところだったのに・・・」的なお約束のオチをつけてうやむやにしてしまうところも素敵。
真相に迫る寸前でアメリカ軍の妨害が! |
しかし、胡散臭いばかりでなく1999年の作品でありながらウサマ・ビンラディンの第三次世界大戦への関与をほのめかしたり、以外とホントなのかも?と思わせる一面もあり、ますますあすかワールドから目が離せません。
ショック・サイエンスシリーズは、ショック・サイエンスR(リターンズ)なる「月に向かってお仕置き」的ネーミングセンスの続編シリーズもあります。こちらでは更に電波な衝撃的展開が!ってなわけで機会があれば取り上げたいと思います。
お楽しみに。(ショック・サイエンス的オチで締めてみました)