最強に泣けるマンガ!「飛ぶ教室」

最強に泣けるマンガ!「飛ぶ教室」

今宵は酔います、泣かせます!
っていきなり新日本プロレスのケロちゃん風のイントロで始まりましたが、そうです今日は当サイトはじめての泣けるテキスト。笑うところは一切ありませんよ。笑いを期待した貴方は残念!


そんなわけで本日ご紹介するマンガはひらまつつとむ先生の「飛ぶ教室」。週刊少年ジャンプに連載されていた作品です。

「飛ぶ教室」って言っても別に肩に輪っかを付けた人がセクシーコマンドーで教室をブン投げるストーリーではありません。おそらくは同名の小説「飛ぶ教室」(孤児達の人間模様を描いたやつ)がモチーフになってるのだと思われます。

 肩に輪っかの付いた人(参考)

とにかくこの「飛ぶ教室」これほどマンガのコンセプト自体が「お涙頂戴」に徹しているマンガは最近でもごく稀です。

ストーリーは、ある日突然東京に水爆が落ち、日本は壊滅状態。その時たまたま核シェルターにいた新任の女教師と小学生達だけが生き残ったのでした。放射能濃度が下がるまで核シェルターに1ヶ月近く過ごした少年少女達。そして地上に戻った時、そこはまさに地獄絵図だった・・・少年誌掲載マンガにしては妙に生々しいマジストーリー。

 初っぱなから全開バリバリで泣けます

そこら中に死体が転がり、誰一人生き残っていない東京。放射能の危険や食糧難を自力で乗り越えなければいけない小学生達。もうこの設定だけでも3日は泣けますよ可哀想すぎて。モー娘。で言ったら加護ちゃん辻ちゃんですよ。そんな子達がはだしのゲンの数倍悲惨な状況で生きていけってんですから苛酷です。想像しただけでも4日は泣けますね

その悲しみに暮れる毎日を過ごす主要な登場人物達をご紹介します。

北川先生 

オサム達のクラスの新任教師。この作品中唯一の大人。美しくも男前な性格で信望が厚く、生徒達の達の指揮をとる。しかし生徒にはひた隠しにしながらも実は死の灰を浴び、余命幾ばくもないのであった。

サトル

頼りになるクラスの委員長的存在。冷静沈着、豊富な知識、大人の態度で生徒達のリーダーシップをとる。小学生のクセにやたら頭が良く、何故か廃墟になったIB○の本社に潜入。スーパーコンピューターをハッキングしてデータを取り出してしまうシーンも。信じがたい。放射能に関する知識もバッチリ。こいつがいれば核の冬なんか屁でもない。世界制覇も可能

オサム

一応作品中の主人公。弱虫。妙に大人びた小学生が多い作品中、等身大の小学生という感じで、それなりに使えない。つーか足手まとい。貴重な水をガンガン飲んで他の子供達に怒られたりしてます。もっとしっかりして欲しい。

みつ子

オサムのガールフレンドつーかもう既にワイフ気取り。作品中でもかなりオサムとのラブラブシーン満載。小学生なのにマジ生意気。ああ悔しい。女子の中ではリーダー的存在で下級生達の信望も厚い。つーかベタベタすんな!

物語は彼らを中心としたいたいけな子供中心のストーリー展開。放射能に汚染されてない食物や水を求め命がけで危険な廃墟に乗り込んだり、放射能で変わり果てた姿の肉親と再会したり、シェルターに閉じこめられた赤ん坊を救出したり・・・とにかく苦難の連続。

 とにかく救いのない雰囲気

そしてクライマックスは死の灰に犯された北川先生の死・・そして取り残された少年達なんとも救いようのないストーリー展開でラストを迎えてしまいます。

ストーリーとしては最高潮に盛り上がっているのに救いのない結末で打ち切られてしまうこの後味の悪さ・・しかるに商業主義ジャンプ三原則。「勝利・友情・努力」にあてはまらなかったからでしょう。そりゃあこの手の話で勝利っつっても困ります

ジャンプ史上でも類を見ない泣けるマンガ「飛ぶ教室」。その素晴らしさは文章では伝えきれないのですが、コミックス巻末の読者の感想欄でも

「こんなすばらしいマンガはじめて!」

「わたしの心から消えることはないでしょう!」

「飛ぶ教室はクラスの人気者!」

「恐ろしい戦争なんてやめて!」

などなど賞賛の嵐です。とてもあの「ハッスル拳法つよし」で怪電波を発し、速攻打ち切りになったひらまつつとむ先生の作品とは思えません。いや、褒めてるんですってば。

 全体に漂う絶望感がなんともやるせない

こうして長々と紹介してきましたが、一つ分かったことがあります。それはJ君には泣けるテキストを書くのは無理。と言うことです。痛感しました。

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出典)「飛ぶ教室」 ひらまつつとむ/集英社

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