ビジネスから下ネタまで、人生からムダを排除せよ!「ダンドリくん」と「ダンドリくんBlack」レビュー
イルミネーションをエリミネーションしたい貴方へ…
こんにちはJ君です。今年も呼んでないのにやってきた恋人たちの季節クリスマスですが、皆さんダンドリ良く生きてますか?え、クリスマスとダンドリに何の関係があるのかって?
関係ねーよ!クリスマスから話題をそらしてるんだよ!!気づいてよ!!というわけで今回はクリスマスはどうでもよくて、年末年始にダンドリ良く過ごして身も心も下半身もスッキリと新年を迎えたい貴方のために贈る処方箋。「ダンドリくん」とその下ネタバージョン「ダンドリくんBlack 」をご紹介したいと思います。
「ダンドリくん」シリーズは泉昌之(原作:久住昌之、画:泉晴紀の合作名)先生による作品。久住昌之先生は「孤独のグルメ」の原作者であり、ドラマ版「孤独のグルメ」内のコーナー「ふらっとQUSUMI」ですっかりお馴染みですね。もはや国民的呑ん兵衛キャラといって過言ではありません。そして泉昌之先生としての作品ですが当サイトでは「芸能グルメストーカー」「天食」「食の軍師」などをご紹介済みです。いずれも食に対する異常なこだわりと主人公キャラのウザおもしろさが存分に発揮されている作品です。
「ダンドリくん」はグルメマンガではありませんが、ダンドリに異常にこだわる主人公ダンドリくんのウザさが最高に面白い逸品となっています。早速ご紹介いたしましょう。
世の中ダンドリが全て
朝起きて顔を洗って歯を磨く…ごくごく一般的な日常の朝の行為ですよね。しかしダンドリくんの朝は他の人とちょっと違います。そんなのダンドリが悪い!というのです。本来はダンドリの良い朝の準備はこの順番を逆にするべきです。飯を食って、歯を磨いて、顔を洗う。そうすれば、最後に顔を拭くだけで全部終了です。ムダがありません。
返す刀で…
朝起きる時だってそう。目覚まし時計を手の届かない足元に設置→仕方なく布団から出て目覚ましを止める→返す刀でカーテンを開ける→いつの間にか布団から出ており、さわやかな朝日も拝めてお目めパッチリという一連の流れ。この川の流れのような淀みのなさがダンドリです。
ダンドリ以前に人としてどうよ
新聞を持ってトイレで読むという行為も合理的なようで無駄が多いです。このように、トイレからダイレクトにテレビを観るようにすることで用を済ませながらニュースもゲット、なおかつドアの開閉の手間を省けますね。そのかわりニオイ関係はアレですけど。
…とまあこんな感じで、言われてみると確かに合理的な気もするんだけど、ドヤ顔で説明されるのでなんかムカつく。この芸風こそがダンドリくんのダンドリズムなのであります。
そこまで横着せんでも
スーツを着た時のネクタイもこんな風にあらかじめ結んでおけば簡単!つける時なんか絞首刑っぽいですけど、この楽ちんさには抗えませんね。
この発想はなかった
出かける時、部屋の電化類の電源が消えているかいちいちチェックするのはダルいということで、部屋のブレーカー落として一発です。うわ、これは楽だ!でも冷蔵庫の電源まで落ちるので夏場は注意ですね。
海苔弁は庶民の味方
ランチタイムにも一家言あります。お金がない時に最もコスパがいいダンドリくんのおすすめメニューはなんといっても海苔弁。白身魚のフライにちくわ天、昆布の佃煮、大根の桜漬けにキンピラゴボウ。そして白いゴハンにベッタリとはりついた海苔。確かに海苔弁てどこで買っても大体こんな中身なような気がします。もしかして海苔弁の中身って法律かなんかで決まってるんですかね?
泉昌之マンガらしいウザさ
無意識にやってる気もする
ダンドリくんの海苔弁の食べ方はちくわ天を一旦外してフタの上にどけ、ちくわ天の下に敷かれていたゴハンを昆布の佃煮で食べるというスタイル。スタイルっていうほどのもんでもない気もしますが、これJ君もなんとなく無意識にやってる気がします。
テトリス的な
そしてゴハンを食べて凹んだ部分にちくわ天を戻します。ちくわ天がキレイにハマった感じが整理されてるっぽい感じでスキっとするというわけです!…いやこの一連の行為のメリットが全然わからないんですけど。
このドヤ顔、ムカつくわー
ちなみに本気出せば昆布だけで弁当のゴハン全部食べれられると主張するダンドリくん。そんなどうでもいい事いちいち自慢されても…ごめんなさい、こんな時どんな顔すればいいかわからない。
さらに究極のダンドリファッションをご紹介しておきましょう。ダンドリくんの推奨する究極ファッションアイテムはズバリ、ベスト(チョッキ)です!
我慢すんなよ
ベストだと冬の暑い日にも脱がなくて大丈夫、夏の寒い日はきていて大助かり。つまり冬も夏もいちいち脱ぎ着せずに着っぱなしで良い。そんなハイブリッドさがベストの素晴らしさです。
セーターあるある
ベストだとセーターのように、下のシャツがまくれ上がらないように袖を抑えておいたりするようも必要もありません。
横着だなー
注射打つときもいちいち脱がなくてもいいし…ってあーもううるさい。もう分かった、ベストは便利だってことでいいよ。ダンドリくんのベスト推しウザすぎるわ!!
と、こんな感じで日常生活の細部に渡るまでダンドリ良く生きるためのヒントをドヤ顔で教えてくれるマンガがこのダンドリくんなのです。
タモリ倶楽部のような表紙
続きまして「性なる夜」のクリスマスにふさわしく、シモ方面のダンドリくんもご紹介しておきましょう。その名も「ダンドリくんBlack 」です。
名前に無理があり過ぎ
実は「ダンドリくんBlack 」の主人公は一見ダンドリくんと同一人物のようですが全くの別人です(と本人は主張しています)。すごく…取ってつけたような違いですね。
これは職務質問レベル
下ネタ大好きダンドリくんブラックは性格もダンドリくんとはまるで別人で、セリフもこのようにいちいちサイテーです。
フォトショあるある
ダンドリくんブラックは、いろんなタイプの夜のお店(平たく言うと風俗)を楽しむためのダンドリをレクチャーしてくれるマンガです。例えばおさわりパブのホームページに掲載されている女のコの写真の見分け方とか…。
これは大事なスキル
このように素晴らしい鑑定眼をもっています。いや、まあ確かにこのインターネット時代を生き抜くには大事なスキルですよね。フォトショ加工を見抜く鑑定眼は。
ネットを有効活用すべし!
ホットパンツ!そういうのもあるのか
「ピチピチホットパンツフェア開催中か!」
さらにインターネットでオトクな情報を事前にゲットしておくこともとても大切なことなのです。真の情強とはこういうもんですよね。
繁華街によくあるエステ、マッサージの店がエッチなやつかどうかの判別方法なども教えてくれます。J君は(エッチじゃない方の)マッサージにしょっちゅう行くのでこれは有益な情報です。
お店の名前で見分けられる場合も
相場より高い店は何かある・・・
エッチなお店に行くときのダンドリばかりでなく、普通の人にはなかなか縁のないマニアックな趣味のお店に潜入ルポしているところもこの「ダンドリくんBlack 」の面白さです。
セレブはこんなことしない
人妻系とか…
ポチャの定義も難しいよね
ポチャ系とか…
昭和か!
ノーパンメイド喫茶とか…
これはすごい
なんと、オリエント工業製のラブドールがデリバリーされるというサービス
「ドールデリ」なんてものまで。これはある意味究極のサービスですね。
安心ですね!
ちなみにラブドールはスノボの袋に入ってカムフラージュされており、あらかじめ布団乾燥機でホッカホカになっているという気の利き具合。これぞダンドリ!
まさにラブ&ピース
ラストはラブドールは性犯罪を減らすのに役にたっているというナイスな正当化で締められております。ラブドールは世界を救うか…なるほどなー。
というわけで「ダンドリくん」と「ダンドリくんBlack 」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?クリスマス気分がすっかり萎え萎えになるラブ&ピースな締めで我ながら実に清々しい気分です。もしまだクリスマスムードに未練があるなら、ダンドリくんブラックを見習って池袋あたりの欲望ムキ出しタウンに繰り出してみてはいかがでしょうか?
池袋は欲望ムキ出しタウン・・・たしかに否定出来ない
ではまた来年もマンガレビューでお会いしましょう!
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出典)
「ダンドリくん」 泉昌之/ゴマブックス/ちくま文庫
「ダンドリくんBlack」 泉昌之/ぶんか社
【告知】日刊サイゾーで「ザオリク的マンガ読み」という連載をはじめました!
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