永遠のお蔵入りか!?幻のアニメ版「孤独のグルメ」
2025年「孤独のグルメ」の一番の話題といえば「劇映画 孤独のグルメ」ですよね。
「孤独のグルメ」もマンガから始まって、CD、ドラマ、年末特番と来てついに映画化です。コンテンツとして行くところまで行った感がありますね。
しかしながら、「孤独のグルメ」は実写ドラマにも、映画にもなっているのに、なんでアニメ版がないんだろう…なんて疑問に思っている方もいるかもしれません。しかし、実はアニメ版は存在しています。
そう、人知れず、ひっそりと…幻の「孤独のグルメ」アニメ版は存在した…!
と、思わず水曜スペシャル川口浩探検隊のテンションで叫びたくなってしまうほどに幻の存在なのです。正直言うと、J君もこちらのXのポストを見るまでその存在を知りませんでした。が、Wikipediaにもよーく見ると書いてありました。さすがWikipedia、なんでも知ってるな!!
というわけで過去のプレスリリースなどの情報をもとにアニメ版「孤独のグルメ」の情報を整理してみますと…
アニメ版「孤独のグルメ」は、2017年6月5日から2018年5月31日まで『タテアニメ』というアニメ専用の動画アプリ内で配信。監督は黄瀬和哉、井之頭五郎役の声優は堀内賢雄が担当。プロデューサーは、大塚裕司。劇中音楽は、原作者の久住昌之が、TVシリーズのイメージに合わせて、新たにアレンジ、演奏。ということで久住先生も加わり、しっかりと豪華なスタッフで作られていたんですね。
しかしながら「タテアニメ」自体がスマートフォンアプリ専用であり、サービス自体も2017年6月5日から2018年5月31日までという非常に短い期間(その後アニメBeansとしてリニューアル)だったため、実際にアニメ版を視聴できた人がかなり少なかったのではないかと思われます。
ネット上にわずかに残っているアニメのカットを見てみるとこんな感じです。
顔がややのっぺりしてる?
どうやらオープニングのシーンのようですが、これは第一話の「東京都台東区山谷のぶた肉いためライス」の最初、「…とにかく腹が減っていた」のコマをほぼそのままカラーでアニメ化しているようです。
谷口ジロー先生の超精細な作画をアニメにすること自体がそもそもかなり至難の業ではないかと思いますが、かなり頑張っている感じですね。
原作にない壁のシミまで…
なんてことのない豚汁の手書きメニューもすごい再現力。「汁」の字の手書きのクセや枠線を飛び出した「食」の部分までちゃんと描かれてますね。
カラーになると若く見える
このシーンも原作ファンならすぐ分かるシーンですね!「持ち帰り!そういうのもあるのか」のシーンです。もちろん、持ち帰りって言っても、テイクアウトのことですよ!合コンの話ではありません。
こうしてみると、井之頭のゴローちゃんて年齢不詳ですよね。30代半ばの設定ですが、こうやってカラーになると肌艶が良くて30代前半よりも若いぐらいに見えます。原作だとシブすぎる佇まいから、40代でもおかしくない雰囲気ですけど。
アニメ版が制作された時点の2017年はすでに、マンガ版の新作である「孤独のグルメ2」もドラマ版も存在していたのに、徹底したファーストガンダムならぬ、「ファーストこどグル原理主義」なのは好感が持てます。
ジュラルミンケースが眩しい
こちらは第三話「東京都台東区浅草の豆かん」のワンシーン。商談相手のお金持ちマダムに紹介された甘味処を発見したシーンです。そう、ゴローは食べログよりもマダムの口コミを信じるのです。ちなみに、このあと甘味処の店主と「この…煮込み雑煮を」「ですからごめんなさい、お雑煮も来月からなんですよ」などと一悶着あるシーンが待ち構えているわけです。
タピオカじゃないよ
そんなこんなで、甘味処での食事は諦め、豆かんを食するゴローちゃんのシーン。カラーになると「いかにも豆って豆だ」という感じがしますね!寒天の存在感もしっかりとあります。よく見てみると、第一話とスーツやネクタイの色がちゃんと違っているのも芸が細かい。マダムの好みに合わせたのか…ゴローちゃんなかなかファッショナブルですな。万年黒スーツの山岡士郎とはこのあたりが違います。
というわけで、古参ファンの間でも殆ど知られていないと思われる幻のアニメ版「孤独のグルメ」を紹介してみました。かなり原作に対するこだわりが感じられて、いまさらながら是非、観てみたいと思わされたのですが、時すでに遅し。もし今後アニメ版が作られるとなると、今の「孤独のグルメ」のコンテンツ力からして、またゼロから新しいものが作られるでしょうから、このタテアニメ版「孤独のグルメ」は永遠にお蔵入りになってしまうのかもしれません。
2025年は素直に「劇映画 孤独のグルメ」 「トリビュートブック 100%孤独のグルメ!」 「『孤独のグルメ』巡礼ガイド 完全版」で孤独のグルメを満喫しましょう。
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出典・引用)
「孤独のグルメ」 久住昌之/谷口ジロー/扶桑社
Production I.G / (C)タテアニメ
プレスリリース記事
https://cho-animedia.jp/article/2017/12/26/4944.html
https://cho-animedia.jp/article/2018/03/11/5867.html
https://mantan-web.jp/article/20171112dog00m200003000c.html
https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=5752
https://animeanime.jp/article/2017/11/10/35935.html
https://www.production-ig.co.jp/hotnews/2017/111501.html
https://m-upholdings.co.jp/news/?id=1000003297