MMR復活・・・・全国の超常現象ファンを震撼させたこのニュースは瞬く間にインターネットに広がった。そう・・・マガジンミステリー調査班、いうまでもなく全国の少年達に夢とロマンとそして絶望のドン底を体験させてくれたカリスマ的マンガです。
そして・・・そんな華やかな話題の中、ひっそりと時代の中に埋没させられたもう一つの MMRが存在していたことを皆さんはご存じでしょうか・・・それが本日ご紹介する実写ドラマ版「MMR~未確認飛行物体~」です。
この実写版MMR、実際にはフジテレビ系列の「木曜の怪談」というドラマシリーズで放映されたものなのですが、タイトルの時点ですでに「怪談」扱いにされてること自体不憫としか言いようがありません。
実写版をご紹介する前に、まずは原作「マガジンミステリー調査班-MMR-」に出てくる登場人物をもう一度おさらいしてみましょう。
キバヤシ!
MMRのリーダー。ノストラダムスの予言を筆頭にUFO、超能力、ムー大陸・・・あらゆる超常現象
の可能性を肯定し、1999年地球は滅びる!と断言した超悲観論者。
ナワヤ!
MMRのサブリーダー。楽観的かついい加減。唯一の超常現象否定論者だったが、キバヤシに洗脳されだんだん肯定派へ・・・
タナカ!
MMR初期からパシリに徹し、決して目立たない。でも毎回出ている。 でも目立たない。何も足さない何も引かない。キバヤシの忠実な下僕。
トマル・イケダ
キバヤシと一緒に驚く役の人。いわゆるその他大勢。
といった非常に濃いキャラクターを持ったメンツによるスキのない展開が魅力でした。
とくにMMRのリーダー、キバヤシが繰り出した数多くの終末予言は日本全国の少年少女を恐怖に陥れた上、肝心の1999年に何にも起こらなかった途端消息不明。これぞまさにトンズラ。こんなコトできるのはキバヤシか岸部シローだけです。 まさに真の漢(オトコ)の生き様を見ました。
では実写版MMRの主人公はどうなのか?
絶好調!クルブシでーす!
秀ちゃんかよ!
そうなんです。この実写版MMRはストーリーもオリジナルなら設定もオリジナル。しかしご安心あれ。キバヤシ・ナワヤ・タナカに相当するキャラが、きちんと石垣先生書き下ろしでキャスティングされています。
クルブシ
実写版MMRの主人公。ノリの軽さととりあえず超常現象否定派 なところが原作のナワヤに相当。
スメラギ
ゴリゴリの超常現象肯定派。ちょっと不思議なことがあると何でもグレイのせいにする特徴あり。原作のキバヤシに相当。
ヤマシタ
MMR所属アルバイト=パシリ つまりタナカに相当。
さて肝心のドラマの内容をご紹介していきましょう。 実写版MMRは原作同様、続き物のストーリーではなく基本的に一話完結型となっています。
序盤はそれこそ超常現象ファンの期待を裏切らない展開。
全てはUFOのしわざ・・・
UFOの目撃話に始まり、キャトルミューティレーションやヒーリングパワー、 念写など、特命リサーチ200Xをショボくしたようなテーマのストーリーが続きます。
中には宇宙人(グレイ)に連れ去られた少女が宇宙人の子供を妊娠させられた上に流産という最近の金八先生をも凌駕するようなへヴィーなストーリーもあります。 そして、毎回ドラマのオチには必ず大空に輝く巨大UFOが! そうか、やっぱり今回も宇宙人のせいだったんだ納得!と強引に締められます。 もちろん締まってないのですが。
何でもコレのせいです
しかしドラマも後半になるとなんだか様子が変わってきます。 そう、MMRのメンバーがゾンビと直接対決するストーリーから!
青木ヶ原樹海に大量発生した謎のゾンビ。MMRは人間がゾンビになるプロセスを
早速調査開始。
スメラギ(キバヤシ役)の思考プロセスはこうです。
わりと男前なキバヤシ
死体が腐らない
↓
ある種の放射性物質が原因と考えられる
↓
放射性物質といえば電磁波
↓
電磁波といえばUFO・・・
「そうか!ゾンビはUFOのせいだったんだ。これで点と点が線で結ばれた!!」
いやいやいやいや、結ばれてないから。途中に明らかに飛躍があるから。
電磁波→UFOてなんだよ!お前はたま出版の韮澤さんか?
そして、青木ヶ原樹海でついにゾンビと直接対決するMMRメンバー
このストーリーをきっかけに何かが吹っ切れたのか、実写版MMRのストーリーは急激に方向転換。なぜか、特命リサーチ200Xのような超常現象調査モノのストーリーから、 宇宙人との直接対決モノのX-ファイル的ストーリーへどんどん暴走していきます。
圧巻なのは超能力を持った少年達がUFOを召喚するストーリー。超能力少年と女性に化けたグレイが仲間割れを起こしいきなりサイキック対決が始まります。もうわけがわからん。
エージェントスミスより怖い
また、さらにストーリーがクライマックスへ進行すると今度はMMRのメンバー達がグレイに洗脳され大ピンチ。一人グレイに立ち向かう中山秀ちゃん。グレイの理不尽な攻撃で 半死半生状態。さすがに「ウチくる!?」とか言ってる余裕はなさそうです。
そして、最後は本格的に地球侵略を始めるUFOの大群。ついに宇宙戦争が始まりました。 そして地球を救うカギを握っているのがわれらがMMR。そう、警察でも自衛隊でもない MMRなのです。 この時点ですでにX-ファイルどころではなくインディペンデンスデイみたいになってます。
今度は戦争だ!
ちなみに秀ちゃんはさすが主人公だけあって、UFOから発するすんごいビームを直接浴びたりして男気を見せてくれます。ってか死ぬだろ普通。
UFOに狙い打ちされる秀ちゃん
そんなわけで、原作をもはるかに超えるスケールで展開する実写版MMR、いかがだったでしょうか? J君がこれを見て最初に思ったことは、こんな「木曜の怪談」いやだなあ。ということです。