ヒロイックグルメ「美味パラダイス」
「BLACK徒然草って知ってる~?」
「ああ、あのヘボいグルメマンガのレビューとかばっかりやってるところでしょー?」
全く心外な話である!当サイトがいつヘボいグルメマンガを扱ったのでしょうか? どれも個性的ではあるが厳選された特選マンガばかり。ヘボいだなんてとんでもない話です!
というわけで当サイトがご紹介する本日のヘボグルメマンガは少年サンデーで連載されていた 「美味パラダイス」です。
日本がグルメブームに踊るバブルの最中、戦後の闇市の如く次々に生まれたグルメマンガ・・ 「美味しんぼ」「ザ・シェフ」「ミスター味っ子」。この「美味パラダイス」もそんなグルメブームのドサクサで生み出されたマンガの一タイトルと言えましょう。しかしながらこの「美味パラダイス」、他の作品には ない個性もありました。それは、主人公が女の子であること。すなわち「女の子版ミスター味っ子」とも言える作品なのです。
主人公の女の子は「白瀬美味」。洋食屋の娘に生まれるが、グルメによる支配をもくろむ帝都グループ総裁高見清明の手によって、店は地上げされ、父親は自殺・・・高見を倒すために料理修行の旅に出た 美味は、行く先々で高見によって苦しめられている料理店の助っ人として高見の刺客と対決することに。 うん・・・いろんなグルメマンガの設定が程よくブレンドされた遜色のない出来ですね。
旅はカプリース・・そして左手には生卵・・
内容はまさに「女の子版ミスター味っ子」。料理のアイデアがひらめくと髪の毛の両端が ピョコッと逆立つのが特徴です。
「あばれはっちゃく」の逆立ちに相当します
それにしてもヒロインなんだからもうちょっとカワイクならないのか?とも思うのですが、作品中に出てくる他の女性が
こんなのとか
こんなのですので、
相対的に一番カワイクなっております。
そして、帝都グループとの過酷な料理対決の旅に出るわけですが、グルメマンガにとって最初の対決に出てくる料理はすごく重要。そこに出てくる料理のインパクトが作品の人気を決めると言っていいでしょう。
かの「美味しんぼ」では「アンキモ」がフォアグラに勝つという度肝を抜くストーリーでしたし、
「ミスター味っ子」ではナス巻きスパゲティーというこれまた奇想天外なアイデアがインパクト十分でした。
そして、紅一点「美味パラダイス」の初対決は・・・・?
コーヒー勝負!
食べ物じゃないのかよ!
なんて地味な!
グルメマンガで初っ端からコーヒー対決とはずいぶん思い切ってます。思い切りすぎて作品の将来を暗示しているかのようです。
そしてそのコーヒー対決、勝敗を分けたコーヒーの隠し味とは!
レモンでした!
やはり地味!
しかし心配は無用でした。その後に出てくるブッ飛んだ料理の数々は他の料理マンガを凌駕する ほどのインパクトを持っています。
菊の花と酢をスパゲティーにブチ込んだだけの料理その名も「スシゲティー」とか・・・
「鶴拳」の正統伝承者でないと麺を打つことの出来ない究極のラーメン「鶴拳ラーメン」とか・・・
手間かかりすぎです
それに伴い、料理を食うヤツらのリアクションも過激になる一方。
食べた者に「輪廻」を感じさせてしまう「フェニックスピザ」
飲んだだけで「初日の出」を拝ませてくれるコンソメスープ
クライマックスは、寿司対決のエピソードです。対決までに寿司の握り方を習得しなければいけない美味。 町の寿司屋のおっさんに、「マキワラを真剣で斬れるようになったら寿司も握れるようになる」 と根拠不明のアドバイスをされ、居合い切りの練習を始める美味。
しかし敵も然る物、なんとマグロのトロを市場から買い占めてしまいます。 これと同じようなエピソードは「ミスター味っ子」にもありました。 何故にグルメマンガは寿司対決になるとトロを買い占めるのでしょうか? トロを買い占めたら数千万かかるわ、他の寿司屋に嫌われるわで、何一つ メリットがないような気がするんですが、たかが寿司対決で生き急ぎ過ぎです。
トロ買い占めたのに負けた寿司屋「寿司虎」
そしてついに究極の寿司対決!
食べた者に「生命の根源」を感じさせる「クジラ寿司」
ていうか、絶対一服盛ってるだろ?この寿司。
そんなわけで、隠れた超インパクトグルメマンガ「美味パラダイス」 いかがだったでしょうか?貴方もへなちょこグルメっぷりにぜひ度肝を抜かれてみて下さい。
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