ポゥゥッ!
世界でも唯一無二の超オリジナルな掛け声でお馴染みネヴァーランドの貴公子あるいは平成のピーターパンことマイケル・ジャクソンさん。 最近でもちょっとしたスキャンダルで話題になりましたけど、全盛期のマイケルの人気は「神」と呼ばれるにふさわしいぐらい、それはもう凄いものでした。そんな最も勢いのある中、本当に勢いだけで作られたようなマイケル・ジャクソン主演の映画が存在しました。
足もとキラリでお馴染みマイケルさん
え、マイケルの旦那、映画やるんすか?マジッスか?いやー冗談きついッスよ。え、マジなの?映画やってみたいの?しかもキャストは旦那と子供だけッスか?
映画なめてませんか?まったく旦那の道楽にはかなわねえなあ。まあ金になるからいっか。
ってな制作者サイドの雰囲気が誰の目にも明白な、マイケル御大主演のスペースファンタジームービーが本日ご紹介する「ムーンウォーカー」です。
もちろんキャストはマイケルご本尊の脇を必須アイテムであるところの少年少女でガッチリ固め、後はCG合成。 汚ねえ大人は悪役とか雑魚とか端役で十分。そんな気合い入りまくりのマイケルのマイケルによるマイケルのための素敵な贈り物。(またの名を自己満足)
この映画ムーンウォーカーは大きく分けまして3部構成となっておりまして、
【第一部】 マイケルのマイケルによるマイケルのためのPV編。
【第二部】 マイケルがファンに追いかけられて、うわー危機一髪。変装もあるでよ編。
【第三部】 マイケルよ車とかロボットに変形して汚い大人をぶちのめせ!スペースファンタジー編。
とまあ、こうして説明してもサッパリ分からないことからも想像がつきます通り、ストーリーとかかなりどうでもよく、そこにマイケルさえいればいいというコアなマイケルファンのためのマストアイテムとなっております。
【第一部】
全盛期の黒マイケル カッコ良すぎ
マイケルのPV集的なムービーが延々続きます。「Man in the Mirror」の曲に乗せライブのキレのある踊りでファンを魅了するマイケル。そして失神するファン達。 やはり御大はつくづく「神」だなあと思わせられるシーンが満載です。
さらにジャクソン5の頃からのダイジェストなどマイケルの栄光の奇蹟を綴るPVの数々。中には有名な「BAD」のPVをお子様バージョンで撮り直したバージョンや「WE ARE THE WORLD」などもあり、PV集としてはかなり豪華だが映画としては相当どうかと思う構成。あまりに延々続くので、J君の指がリモコンの早送りボタンに伸びたところで第二部へ。
【第二部】
逃げるマイケル(楽しそう)
日光鬼怒川ウエスタン村風のセット(たぶんハリウッド)の中で、マイケルがなぜかファン達(粘土細工アニメキャラ)に追いかけられて逃げ回るストーリー。マイケルは変装して脱出。ひとしきりカーチェイスを行った後、陽気に踊るマイケル。気が付いたら、そこはマイケルダンス禁止の標識が。白バイ警官に怒られるマイケルと言うオチ。 やべー妙に面白すぎる。
スクリーンの中で元気に走り回るマイケルの姿は普段日傘を持って歩き回る人と同一人物とは思えないくらい。マイケル御大の元気なお姿に思わず涙がキラリ。
【第三部】
有名なアレのシーン
皆さんお待たせ致しました。ムーンウォーカーの真骨頂はなんと言っても第三部スペースファンタジー編です。
少年少女を食い物にしようとする悪の組織のアジトに乗り込むマイケルと少女。汚ねえ大人の企みをぶっつぶそうと画策します。しかし、失敗して悪の組織に発見されてしまうマイケル達。逆にマイケルが追っ手に命を狙われるハメに!
マイケル1人捕まえるのにものすごい数の追っ手を放ち追いつめる組織のボス。なぜか武装した兵隊やドーベルマンまでがマイケルの命を狙います。そして、ついに袋小路に追いつめられたマイケル。そこにキラリ一番星。するとなぜかエンジン音が・・・何とマイケルがスーパーカーになったー!
しかもこのスーパーカー、武装兵達の撃つ銃の弾丸もはじき返す防弾仕様。スゲー、マイケル車になっちゃったよ。っていうかはじめからそうすりゃいいのに!
で、まんまと逃げおおせたマイケルは何事も無かったかのように元の姿に。そして何気なく入った街の酒場・・・・そこにもマイケルの命を狙う悪の組織の姿が。
そして急にここから場面はミュージカル仕立てに。「Smooth Criminal」のテーマに乗せてノリノリで悪党達を撲殺&銃殺。子供には優しいが大人には極めて厳しいマイケルの姿が拝めます。
しかしマイケルが踊り狂っているドサクサで女の子がさらわれてしまいます。女の子を救いに単身、悪の組織のアジトへ。そこに待ちかまえていたのは総勢百人以上の武装兵達・・・・囲まれてしまうマイケル。大ピンチ。そしてマフィアのボスにいたぶられる女の子の悲鳴が!子供を悲しませる奴は許さない!マイケルの一貫したコンセプトがここで大爆発!そこにキラリ一番星。やばい!マイケルの体に異変が起こり始めた!
敵の銃はバリヤーではじき返す!(ズルい)
そしてキャノン砲で反撃!(超ズルい)
今の中東情勢を考えると到底放送することは不可能な惨劇。
ええと・・・マイケルさっき「WE ARE THE WORLD」 歌ってたのに!
最後はなぜかマイケルが宇宙船に変形。空の彼方に消えていきます。「神」だからこそ可能なこの強引なストーリー展開に度肝を抜かれます。
そんなわけで、最近すっかり元気がなくなったマイケル先生の全盛期を懐かしみたいミドルエイジャーさん達やただの白塗りのオッさんがなんであんなに話題になるの?というマイケルを知らないティーンエイジャーさん達の為の入門書として、J君はこのムーンウォーカーを熱烈推薦します。
これだけ楽しめて1,200円は安すぎだと思うのです。
ありがとうマイケルー!(いいのかそれで)