誰もついてこれない究極の愛「超愛の人」 前編
今宵、お前らに本当の「愛」を教えてやる!
こんにちは、J君です。クリスマスが今年もやってきましたね。CMソングにもあるようにクリスマスは誰にもやってくるのです。それは望む望まないかかわらず、否応なしに。恋人がいる人にもいない人にも、もう2次元でいいやと思っている人にも、確実にクリスマスの影は忍び寄ってきます。そしてクリスマスといえば当サイトのテキストがもっとも投げやりになる日でもあります。そう!今年も「性夜」に相応しいちょいエロなテキストをご紹介しますよ。回りがドン引きしようと構わない。俺はやる。
韓流ブームによって「純愛」がここ数年の主流でしたが、ブームも終焉を向かえ、来年以降にくる新しい愛の形が見えてきました。それはズバリ「超愛」。すなわち”超えた愛”です。本日ご紹介するのはそんな究極の愛の形を描いたマンガ「超愛の人」でございます。
「超愛の人」はテレクラ全盛期にテレクラゴッドとして業界をブイブイいわせた漫画家、成田アキラ先生がモーニングに掲載した作品。この「超愛の人」も内容だけ見ればどのページを開いても全裸が踊り狂う「聖マッスル」ばりの全裸率を誇る堂々たるR18マンガなのですが、いかんせん絵柄がスポーツ新聞方面というかオヤジ向けマンガにチューニングされ過ぎているため、残念ながら夜のオカズとしての用途には全く適しません。
しかし、この作品は単なるオヤジエロ漫画にあらず。エロを極めてしまった成田アキラ先生が、自身のエロ人生を振り返り「エロとは・・・そして愛とは何ぞや?」とばかりに哲学的かつスピリチュアルなものにまで昇華した世界観を描いた作品です。その結果・・・この世でも類を見ないほどにヘンテコリンなマンガと相成ったのです。いやホント、こんな変なマンガ見たことない。
さっそくご紹介しましょう。主人公の色一平はバーチャルリアリティを研究開発するエンジニア。しかし、ある問題を抱えておりました。生きている実感が感じられない。自分自身が仮想現実の産物に過ぎないのではないか?という非常に重い物です。
ノイローゼ寸前
やがて彼の悩みはエスカレートし、ノイローゼ寸前の状態に。そこで一念発起した一平は毎夜行っていたランニングのコースを変更し、突如深夜人気のない植物園に忍び込んで、そこでランニングすることにしたのです。それも・・・
なんで、なんでなんで!
生まれたままの姿で。
病みつきです
しかも走りながらイッちゃってます。
そんなにイイのか?全裸ランニング。・・・なんでそういう展開になるのか常人では到底理解しがたいものがあるのですが、話はそれだけにはとどまりませんでした。しばらく毎夜お忍びでの全裸ランニングを続けていると、とんでもないことが起こったのです。なんと、人気がないはずの夜の植物園で・・・
理解不能な展開
向かいから全裸の女が走ってくるではありませんか!
まさか自分と同じ人間が、同じ事をしている女がいたなんて!とてつもない心のシンクロ感に衝撃を受ける一平。そしてすれ違ったそのコンマ1秒で・・・まさに
愛のはじまりです
愛が成就したのだ!
って、全然意味が分かりません。こ、これが超愛なのか・・・!?
無言で立ち去る全裸女
そして、謎の全裸女は無言のまま、突如地面に「空子」と書き置きを残して去っていきます。
なにその自然な会話
「空子・・・空子さんか・・・」
謎の女の名前が分かって喜ぶ一平。でも常人だったら普通にツッコミどころが山ほどあるところです。なんで全裸なのかとか。なんで地面に書くのかとか。まさに愛は盲目ってやつですね(違います)。
そんなわけで、奇跡の出会いを果たし、一瞬にして恋に落ちた一組の男女はその後も植物園で二人にしか分からない超愛の世界を繰り広げます。
・・・・これなんて不思議なおどり?
もう意味が分からなすぎ。読者のMPも吸い取られまくり。しかしその後、謎の全裸女空子の正体が徐々に明らかになってゆきます。
しばらくすると空子の背後に男の存在がチラつき始めます。当然、両思いだと思っていた一平は男の存在に嫉妬しまくり、気が気じゃありません。しかし、その男は実は、空子の「超愛」の師匠だったのでした。つまり一般人の目からすると変態の大親分みたいなもんです。
超愛の人です
その男の名は、超愛の人「妙艶亭亜院(みょうえんていあいん)」。茶道の達人にして女心を完璧に操る達人。茶の心「侘び」「寂び」に「艶び(まび)」を取り入れた独自の茶道を切り開く男。そして本業は車の解体業のオッさんです。ていうか謝れ!とりあえず利休に謝れ!(よく知らんけど)
しかし、このオヤジ、やはり道を極めているといわれているだけあってハンパではありませんでした。オヤジが一平に茶の世界について語っていると、何をトチ狂ったのか、突如二十歳の娘がこのオヤジに弟子入りを申し入れてきました。するとこのオヤジは容赦なく娘を縄で縛りはじめ・・・
いきなりハードコア
さらにとんでもないことを言います。
「大自然とセックスしなさい。」
庭の一部です
日本庭園ならぬ女体庭園ですよ。
もう、すごすぎます。そして大雨が降り始めます。こ、これは、素っ裸で庭に置かれている娘の身に危機が!と思いきや・・・
この女も相当おかしい
「いいーああ・・・ステキ~ ああ先生ステキ~!!」
・・・喜んでおられます。っていうかなにがステキなんでしょうか?少なくとも全然先生は関係ない。
それにしても、耳に置き石がしてあったのは耳から雨が入らないための配慮だったんですね。なんでそこだけ配慮が行き届いてるのかは分かりませんが。そして、娘のテンションが絶頂に高まった時、オヤジの必殺技が炸裂!名付けて「ショパンの雨だれ」
ショパンの雨だれ
・・・・なんだこりゃ?これなんてのだめカンタービレ?
そのまま儀式はいよいよクライマックスに。オヤジが娘に叫びます。
「体ごと浮遊しろ! 地上を離れ地上にある物全てを忘れろ!!」
すごいパワーですね
って、自分で放り投げてるだけじゃん。
それにしてもすごいパワーですね。これが超愛の力なのでしょうか・・・。
・・・というわけで、究極の愛の形「超愛」については結局何一つ理解できないまま次回更新に続きます。予告通り投げやりなテキストになったことをお詫び申し上げます。後編ではもっとヘンテコリンな愛の形が登場しますよ。具体的には「神様ファック」とか・・・とにかく皆様の脳が大混乱すること必至です!
そんなこんなで今宵は最高に中途半端で素晴らしいクリスマスとなりそうですね。みなさんもどうか恵方に向かってブッシュ・ド・ノエルを一気食いするなど、新しい試みにチャレンジしつつ悶々とした聖夜をお過ごしくださいませ。
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出典) 「超愛の人」 講談社/成田アキラ
参考) Amazon → ■