いつレビューするか?今でしょ! 春のいじめマンガ特集

いつレビューするか?今でしょ! 春のいじめマンガ特集






あなたも 友達のフリをした悪魔ですか?
春になってきましたね。花粉が凄まじいことになっている今日このごろ皆様いかがお過ごしでしょうか?今まで花粉症と縁がなかったJ君も今年はちょっとヤバい兆候が出ていますので「まんがでわかる花粉症」を読んで万全の対策で臨んでいます。ところで春といえば入学&新学期シーズンです。新しい友達関係にワクワクする反面、人間関係の落とし穴的一面もあります。それが「いじめ問題」

小学生、中学生、高校生だけじゃありません。もちろん大人の世界だっていじめはあります。会社で同僚とのコミュニケーションに失敗すれば子供の世界よりも陰湿ないじめを受けることも珍しくはないのです。というわけで今回は、入学・入社・人事異動シーズンを円滑に迎えるためにおさえておきたい「いじめマンガ」を特集したいと思います。



ネット上で話題に

今回いじめマンガ特集を行おうと思ったきっかけは、2013年2月20日に発売された週刊少年マガジンで「聲の形」(こえのかたち)という読み切りマンガが掲載されたことでした。耳の聞こえない少女が小学校でいじめられてしまうマンガです。耳が聞こえない障害をもった女の子がクラスメイトにいじめを受ける・・・補聴器を引きちぎられたり、会話するための筆談ノートを池に捨てられたりといじめのシーンが衝撃的だったことや、ラストシーンがとても感動的だったことなどでネットを中心に大きな話題になりました。


耳の聞こえない少女の苦悩


いじめはダメ!絶対!

この「聲の形」がネットで話題になるのと並行して、当サイトのあるレビュー記事にアクセスが集まるようになりました。それは「元気やでっ!」という作品のレビュー記事です。「元気やでっ!」という作品は1995年に週刊少年ジャンプ誌上で掲載されたいじめをテーマとしたマンガです。当時「いじめ」が社会問題になっていたこと、実体験を元に描かれたリアルな内容だったこと、そして何よりもジャンプというメジャー誌に掲載されたことで多くの少年少女が目にすることになり、伝説のいじめマンガと呼ばれるようになったのです。

■元気やでっ!


伝説のいじめマンガ

多くの少年少女にトラウマを植えつけた伝説のいじめマンガ「元気やでっ!」とはどういう作品だったのでしょうか?舞台は中学校。大人しそう、逆らわなそうという理由でクラスメイトの女子グループにパシリにされていた少女、佐伯幸子(さっちん)がパシリから次第にイジメを受けるようになり、どんどんエスカレートしていくというもの。パシリといじめって紙一重ですよね。非常に良くありそうな構図です。この作品は「わたしのいじめられ日記」という実際の中学生のいじめの記録を元に作られたマンガであり、内容の生々しさ、リアルさが読者の胸を締めつけます。


おとなしい子が狙われるんですよね

生徒のいじめもさることながら、事なかれ主義でいじめを見て見ぬ振りをする先生の態度もいじめ問題の根深さを象徴しています。


こんな担任嫌だなあ

作品中にでてくる上沼先生のいじめフェイス。まさにいじめ界のクイーンといっても過言ではありませんね。


レジェンドオブいじめフェイス

そしてこれが「クイーンオブいじめ」の名を欲しいままにした上沼先生の伝説のドヤ顔。顔面から漂うネガティブさがハンパないわー。
「元気やでっ!」は過去のレビューで詳しく紹介していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

今回はいじめマンガ特集ということで、他にもいじめのシーンが出てくるマンガを幾つか紹介してまいります。

■ライフ


ドラマにもなりました

いじめがテーマのマンガといえば、すえのぶけいこ先生の「ライフ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?単行本全20巻、2007年に北乃きい主演でドラマ化もされています。


親友のこのセリフがトラウマに

勉強苦手の主人公、椎葉歩(アユム)は親友で秀才の篠塚夕子(しーちゃん)となんとか同じ高校に行きたいために頑張って勉強を始めたところ、成績が急上昇。志望校には自分だけ受かって親友のしーちゃんが落ちてしまうという最悪の展開になり、友情関係が崩壊。そのトラウマでリストカットを覚えてしまうという冒頭からダウナーな展開のマンガです。


手首をザックリと

受験のトラウマを抱えつつ、孤独な高校生活を送っていた歩に声をかけてくれたクラスの中心的存在、安西愛海(マナ)と親友関係になり、明るい高校生活の兆しが見えてきます。しかし彼氏命だったマナが彼氏に別れ話を切り出され、ショックで踏切自殺を図ってしまいます。歩によって事なきを得たものの、メンヘラモードに入ってしまったマナを助けようと、マナの彼氏にヨリを戻すように説得しようとする歩。しかしそれが裏目となってマナにNTR疑惑をかけられることに。そして親友だったはずのマナとその仲間グループから壮絶ないじめを受けることになってしまう・・・という、やることなすこと裏目に出まくる女子高生、歩が卑劣ないじめに立ち向かっていくストーリーです。親友だと思っていた友達が些細なきっかけで突然自分をいじめる敵に回ってしまう、これも人間関係の難しさですよね・・・。

「ライフ」はいじめに立ち向かう少女がテーマのマンガで、女子特有の陰湿ないじめのシーンがそれはもう壮絶ではあるのですが、自殺未遂とかレイプとか近年少女マンガで盛り上がるマストな展開がしっかり盛り込まれております。


リスカシーン多すぎ

さらに単行本1巻に出てくる歩のリストカットシーンの多さがまた脅威的で、J君的には完全にリストカットマンガとして認識してました。落ち込んだ時には迷わずリスカ、ちょっと気分転換にリスカ、三度の飯よりリスカ、リストカットでギネス入りみたいな勢い。たまにリストカットをしてない時は、コンパスで手首を刺していたりと、とにかく手首がヤバい。思わず手首をさすりながら読んでしまうマンガです。もっと手首を大事に!

■ミスミソウ


いかにもな薄幸の美少女

今回ご紹介するマンガの中でも最も精神的にくる、後味の悪さがハンパないダウナー系いじめマンガの最右翼「ミスミソウ」。作者は押切蓮介先生です。押切蓮介先生といえば、昨年のこのマンガがすごい2位にランキングされた「ハイスコアガール」のようなコメディタッチのマンガも素晴らしいのですが、薄幸の美少女キャラを描かせたら当代一ですから、いじめがテーマのマンガを描くのはある意味必然かもしれません。


陰湿すぎるイジメ

主人公の野咲春花は父の転勤の都合で過疎化が進行して廃校になる予定の大津馬中学校に転校してきました。しかし閉鎖的な環境で都会からの転校生を受け入れられないクラスメイトから陰湿ないじめを受けるようになります。さらに気が弱い担任の先生も生徒に逆らうことができず学級崩壊状態・・・。


イジメがどんどんエスカレート

はじめは家族に心配をかけまいといじめの事実をひた隠しにする春花ですが、次第にいじめがエスカレートしていき、ついにはクラスメイトにより家を放火され家族を失ってしまうという最悪の悲劇が訪れます。・・・もはやいじめとかいってるレベルじゃないヘヴィな展開ですね。

実際のところ、いじめのシーンはストーリー的には前フリ的な感じで中盤以降は春花による残忍な復讐劇が中心となっており、殺人鬼となった春花無双な展開がメインとなっていきます。マンガのジャンル的にもサイコホラーという扱いなのですが、閉鎖社会におけるいじめ、家族への危害、そして新しいいじめの対象を生み出さなければ自分がいじめられるといういじめの多重構造を描いているという点ではいじめマンガとしても見逃せない部分があります。

■イジメをぶっ飛ばせ!!~Roll Over The Bully!!~


英語でいじめのことをBullyていうらしいです

今回ご紹介するいじめマンガ特集の中でも最も異色なマンガがこの「イジメをぶっ飛ばせ!!」です。
「ヤンキー烈風隊」「コンポラ先生」などのヤンキーマンガの大御所、もとはしまさひで先生が社会問題となっているイジメの実態に正面から挑んだ長編描き下ろし作品。1997年の作品ですので「元気やでっ!」の2年後ぐらいに描かれています。

この作品は主人公の探偵・日乃本正義が、日本のいじめ問題の原因を探り、その解決法を提言するという内容。いじめマンガといえばいじめられっ子の視点から描かれることが多い中で異色の内容となっています。で、主人公の探偵・日乃本正義、ビックリするぐらい愛国心に満ち溢れた名前ですけど、見た目はこんな感じ。


こんな探偵いないだろ

完全にヤンキー。さすがもとはし先生。探偵だろうがなんだろうが主人公はリーゼントでキメるのが基本のようです。っていうかいじめ問題、どっちかというとお前は、いじめてる側じゃないのかっていう・・・。

ツッパリ探偵がいじめ問題を解決するという設定はものすごくぶっ飛んでる感じがしますが、ストーリはこういう感じです。日乃本の中学時代の後輩、永作が探偵の依頼に来ます。依頼内容は息子が学校でいじめられているようなので調査してほしいというもの。そして、いじめの調査をするうちに、実は日本の社会構造がいじめを生み出しているということに気づいていきます。ズバリいじめの最大の原因は・・・


団塊世代がイジメの原因!

日本の団塊世代にあるという衝撃の結論に!これは予想の斜め上の展開でした。


だんだんスケールのでかい話に

さらにイギリス、ノルウェー、スウェーデン等、諸外国におけるいじめ問題と日本のいじめ問題の比較


行政改革せよ!

そして日本の教育制度改革に向けての提言・・・


先生もストレス溜まってます


身も蓋もないセリフ

最後にはいじめ問題の舞台となった学校の教頭先生がブチぎれて爆弾発言。教師側の本音をぶちまけるいじめマンガというのも他に類を見ないですね。


お前が言うな

このヤンキー探偵、要所要所ですごく良いこと言ってるのですが、どうしてもお前が言うな感が拭えないところがシュールすぎます。
ヤンキー探偵が力ずくでいじめを解決するマンガかと思っていたら本格的すぎるいじめ研究・考察がはじまって予想の斜め上を行く展開・・・ものすごいマンガです。

■いじめ


キャラの目の大きさハンパない

最後にご紹介するのは、どストレートすぎるタイトルの「いじめ」という少女マンガです。この作品は「ちゃお」に不定期連載されているもので、小中学校で起こるさまざまなケースのいじめが一話完結方式でマンガになっています。単行本も現在7冊出ており、「いじめ」の後につけられるサブタイトルがなかなか強烈です。

いじめ~ひとりぼっちの戦い~
いじめ~生き地獄からの脱出~
いじめ~見えない悪意~
いじめ~勇気をください~
いじめ~静かなる監獄~
いじめ~叶わない望み~
いじめ~凍りついた教室~

生き地獄からの脱出とか、静かなる監獄とか・・・サスペンス映画のタイトルとしてそのまま使えそうなレベルのタイトルですよね。しかし、いじめを受けている本人からしたらまさしくそのような心境なんだと思います。

「いじめ」シリーズは一話完結のため、実際に起こりそうないろんなタイプのいじめがマンガとして紹介されていて、まさにいじめ辞典といっても過言ではありません。例えば、


すごいセリフだな・・・

いじめられっこを助けてあげたら自分がいじめられた・・・とか、


部室のロッカーに閉じ込められます

部活でカッコいい先輩のお気に入りになったとたんに部活内で露骨にいじめられはじめた・・・とか、


万引きもいじめあるあるネタですね

クラスメイトに万引きを強要されて拒否したらいじめられた・・・とか
たしかに身近にありそうな事例ばかりです。ただしこのマンガは毎回、最後はいじめから立ち直ってハッピーエンドになるアッパー系いじめマンガなので読後感がいいのが救いです。やっぱり小学生読者が多い「ちゃお」だけに内容はポジティブじゃないといけないですよね。

また、脱いじめの啓蒙として単行本内にさまざまコラムがあってこれがまた実に必読な感じです。


どうして万引きをしてはいけないの?

「万引きは、とっても卑怯な犯罪だよ!」など・・・


断れたら苦労しないよね・・・

万引きに誘われた時の断わり方などもバッチリ載っています。


みんなも早速チェック!

知らないうちに誰かをいじめているかもしれない貴方のために「いじめチェックシート」などもあります。こんなの全国民がやるべきですよね。
その他にも悩んでいるときの相談先として政府のいじめ相談ダイヤル、警視庁少年課や弁護士会の電話番号まで載っていて非常に実践的。まさに「本気の脱いじめマンガ」です。

というわけで春のいじめマンガ特集いかがでしたでしょうか?ダウナー系からアッパー系、さらに斜め上の展開系まで様々なタイプのものがあることが分かりますね。特にちゃおの「いじめ」はお子様がいるご家庭では是非読んでおいたほうが良いんじゃないかと思いました。

ちなみにいじめマンガは連続して一気に読むと精神的にかなりダメージを追いますのでもし読まれる方はまとめ読みはしないほうが良いと思います。J君はしばらく寝つきが悪くなりました。



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出典)
「聲の形」 大今良時/講談社
「元気やでっ!」  土屋守/次原隆二/山本純二/集英社
「ライフ」 すえのぶけいこ/講談社
「ミスミソウ」 押切蓮介/ぶんか社
「イジメをぶっ飛ばせ!!」 もとはしまさひで/共同プレス
「いじめ」 五十嵐かおる/小学館

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