エロ少年マンガの御三家は、「やるっきゃ騎士」のみやすのんき先生、「Oh!透明人間」の中西やすひろ先生、そして「いけない!ルナ先生」の上村純子先生であることは、当サイトにて繰り返し述べて参りました。
しかしながら、四天王をあげろと言われれば、もう一人、どうしても紹介するべき重要な作家がいらっしゃいました。そう、それが今回ご紹介する「胸キュン刑事(デカ)」の遠山光先生です。
先生の代表作としては、「ハートキャッチいずみちゃん」という作品があまりにも有名なのですが、あえて今回「胸キュン刑事」を紹介する理由は、その芸術的なまでに高められた寸止めエロの世界を堪能して頂きたいからなのです。
音羽署捜査一課に配属された新人女刑事「皇くるみ」(すめらぎくるみ)が生まれつき自分に備わっているある超能力を駆使して難事件をバシバシと解決していくというストーリー。ここでポイントとなるのはその超能力です。
なんとこの女刑事、なんと犯罪者が近くにいると乳首がピーンと反応するのです。しかも確率は100%。警察犬よりも高確率を誇ります。すっげーなオイ、そうだから胸キュン刑事!
それは病気では? |
いや、超能力とか言ってないで病院行けよ!ほら・・・色々困るじゃん。夜とかさ・・。と思わず突っ込みたいところですが、エロマンガにとってこの手の特殊能力はお約束。
先の「いずみちゃん」は近くにいる人間のエロ妄想が読めてしまう超能力を持ってますし、「Oh!透明人間」に至ってはイクラを食うと透明人間になるという、大槻教授のプラズマでも説明不可能な能力がポイントになってます。そう思えば乳首が立つぐらい余裕ですよね?
さて、この「胸キュン刑事」の設定ですが、よい意味でワンパターンな展開を貫いています。その徹底ぶりはかの水戸黄門にも匹敵します。
■ 事件発生 ↓ ■ くるみが容疑者に「胸キュン」 キュンと来ます ↓ ■ ほぼ丸腰状態でおとり捜査開始。お色気で犯人に接近を図る。 丸腰過ぎです ↓ ■ おとり捜査がバレ犯人逆ギレ ↓ ■ 当然脱がされる ↓ ■ 犯される寸前!くるみ大ピンチ! 自業自得という気も・・ ↓ ■ 「そこまでだ!」張り込んでた同僚の刑事が乗り込んでくる チッ・・いいトコだったのに ↓ ■ 一件落着 |
毎度毎度、この見事なまでの寸止めパターンです。このマンガの画期的なところは読者の心理が犯人とまさに一心同体になることですつまりは、
「ああっ!あとちょっとだったのにっ!何で邪魔すんだよバカ!」
と言う心境ですね。
そして、次回こそはっ!と次号を期待で胸ワクワクさせて、よっしゃあ今度こそ、最後まで行くか!?「そこまでだ!」また寸止め!この無限のエロ寸止めループに当時のJ君のピュアハートはズタズタにされたと言います。
他にこの作品の特筆すべき点は、くるみのおとり捜査にむやみやたらにコスプレ要素が盛り込まれている点です。
セーラー服は基本中の基本 ある時はチャイナドレス・・・ またある時はメガネっ娘メイド・・・ そしてまたある時はノーパン喫茶のウェイトレス・・・ ・・・・ノーパン喫茶て! |
あらゆる趣味趣向の少年達(?)のフェティシズムを満足させるべく矢継ぎ早に繰り出されるコスプレワールド。当時のJ君のピュアハートはそれ以降コスプレ一色に洗脳されていったと言います。これが1980年代の少年マンガだというのですからその先進性は評価してしかるべきでしょう。
「いけない!ルナ先生」が行くところまで行ってしまったエロマンガであるならば、この「胸キュン刑事」は行く寸前の「寸止め」にこだわったエロマンガと言えましょう。
寸止めだからこそ味わえるエロの神髄。貴方も遠山ワ-ルドを是非堪能してみてください。
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