バラの香りの体臭がする毒男イケメン伝説・・・「おれは薔薇」(おれはバラ)
モテるオトコは体臭が違う!
こんにちは、J君です。今回は再び少女マンガレビューです。少女マンガに疎いJ君にとって、少年マンガでは絶対にありえない発想が成立する少女マンガは毎回カルチャーショックの連続です。今回もすごいですよ!
作品名は「おれは薔薇」です。大胆かつ意味不明なタイトルですがどういうことかといいますと、生れつき薔薇(バラ)の香りの体臭がある男の話です。男の体臭がテーマ、しかも生まれつき薔薇の匂い・・・そこにはやはり少年マンガにはない世界観が広がっておりました。
そもそも体から薔薇の香りがするというのは男にとっては憧れですよね。その証拠に、以前「オトコ香る」という噛むと体臭が薔薇の香りになるというガムやボディーソープが発売されていました。他にも飲むと薔薇の香りになるサプリとかも売っています。それぐらい薔薇の香りの体臭というのはモテ界におけるステータスなわけです。しかし、「おれは薔薇」の主人公は、生まれつきの薔薇の香りがするのだから究極ですよね。それはもうモテモテ無双です。
ダークな感じのイケメン
というわけで早速ご紹介してまいりましょう。本作品に出てくる「おれは薔薇」・・・なイケメンは半田礼一という男です。きれいなバラにはトゲがあるというように、かなりダークで危険な香りのするイケメンとなっております。そんな半田の職業はズバリ
実は税務署の人
税務署員です。
しかも一度脱税疑惑で睨まれたら絶対に逃れられないという凄腕の税務署員。薔薇の香りをまとったイケメンは、まさかの税務署員でした。
腕カバーもセクシー
事務員特有のあの腕をまくるときにするアレ(腕カバー)もイケメンがつけるとこの通りセクシーなアイテムに。もしかしたらイケメン事務員フェチにはたまらない設定なのかもしれません。そういうフェチが存在するのか分かりませんけど。
コロンはしてません体臭です
そんな半田ですが、生まれつきの特異体質で体臭が薔薇の香りをまとっています。しかもクールなイケメンフェイスで職場でもモテモテなのですが、なぜか極度の女嫌いでした。
出会いは最悪
ある日、そんな半田とヒロインの女子高生、あけ乃が出会います。半田が公衆電話に使う10円をあけ乃に借りたのがきっかけでした。しかし、あけ乃も幼少期に男にレイプされそうになるというトラウマにより極度の男嫌いでした。女嫌いの男と男嫌いの女が出会ってもうまくいくはずがありません。
女嫌いっぽい
しばらく険悪な雰囲気だったのですが、半田の持つ不思議な雰囲気と香りに心惹かれたあけ乃は、しだいに恋に落ちてしまうのでした。そう「イケメン」+「薔薇の香り」、この組み合わせこそ、男嫌いまで惚れさせてしまうという最強のコンビネーションなのです。
結局惚れちゃう
半田が気になるあけ乃に対し、半田は相変わらずつれない態度。それどころか触れただけですごい形相で
めっちゃ嫌がってます
「さわるな!」
尋常じゃないリアクションです。実は半田の女嫌いには理由があったのです。半田はなんと、体中の水分が毒という特異体質であり、肉体交渉はおろかキスをするだけでも相手を殺してしまうというおそろしい体質だったのです。(えー!)
衝撃の事実
しかも、かつて自分の恋人をその毒で殺してしまったという悲劇があり(ええーっ!!)、それ以来女を一切寄付けないようにしていたのでした。これは女嫌いというか、隔離したほうがいいレベルですね。バイオハザードです。
すげーアザだな
そんな悲しき宿命を象徴するかのように半田の背中には薔薇の模様のアザが・・・ずいぶんくっきりしたアザですけど。
というわけで半田はまさかの毒人間だったのです。まさしくこれが本当の毒男ですね。それにしても薔薇の香りのする税務署員で、なおかつ猛毒を持つイケメンという・・・どうですかこの奇跡のような設定!これこそが少女マンガの奥の深さです。
半田の恐ろしい体の秘密を知ってしまったあけ乃、しかし恋は障害がある方が燃え上がりますよね!
好きな気持ちがとまらない、いわゆるキャントストップフォーリンラブ状態なあけ乃は半田に再三のアタックを試みます。しかし半田は冷たく
あくまでクールに
「俺に近づいて来ないでくれ」
実は半田もあけ乃に惹かれはじめていたのですが、なにせ毒男ですから、うかつに手を出すと殺してしまいます。なかなかつらい状況ですね。せっかくイケメンなのにかわいそうです。
しかし、キャントストップ(省略)あけ乃はそれでも怯まず、このセリフ。
無謀です
「毒なんかこわくないもん」
そこで半田がブチギレですよ!
舐めちゃイカンぜよ
「(毒を)なめんじゃねえ!!」
まさに死の接吻
そしてなんと半田は勢いであけ乃にキスをしてしまいます。その結果・・・
ガクブル
すごい威力
トラウマに
あけ乃はそのまま病院に直行、入院そしてトラウマに。
・・・毒の威力ハンパねえ!
半田の毒の凄さはこんなものではありません
こんな酒造会社の社長嫌だ
半田が税務調査に入った酒造会社の若社長・蛇沢、この男は毒ヘビ(マドンナちゃん)をペットとして飼っている悪趣味な男なのですが、半田の税務調査を妨害するためかペットの毒ヘビ(マドンナちゃん)をけしかけます。その毒ヘビ(マドンナちゃん)がなんと・・・半田に噛み付いてしまったのです!これは大変なことに!その結果・・・
死ぬのそっちかよ!
毒ヘビ死亡
なんと毒の本家ともいうべき毒ヘビにも勝ってしまう半田の毒の威力。まさに毒には毒を持って制すですね。
なぜか逆恨みレイプ
その後この蛇沢が、ペット(マドンナちゃん)を殺された逆恨みで、あけ乃をレイプ未遂したりといろいろと壮絶な状況が待っているのですが、最終的に半田が「死んだ恋人に似ている」といったワンダフルな理由で、あけ乃と付き合うようになるという怒涛の展開が待っています。まさに毒を食らわば皿までといいますか・・・その辺りの詳細なエピソードはぜひ作品を読んでみてくださいね。
というわけで究極の毒男イケメン伝説「おれは薔薇」をご紹介しましたがいかがだったでしょうか?これからのオトコは体臭レベルでイケてないとモテないってことですかね。でも薔薇の香りは前述のとおりボディーソープとかサプリとか出てますから目新しさがありません。
これからのモテる体臭は、もっと新しい、マンゴーとかキャラメルマキアートの香りとか杏仁豆腐とか、そういうのがいいんじゃないでしょうか。貴方の体からほのかに杏仁豆腐の香りが漂えば・・・きっと全ての女性が振り向くこと間違いなしです。(※ただしイケメンに限る)
■■■
出典) 「おれは薔薇」 集英社/茶木宏実